【ジャパンC】武豊ドウデュース 昨年は乗れなかった秋GⅠを連勝で鬱憤晴らし

公開日:2024年11月25日 14:00 更新日:2024年11月25日 14:00

超スローの展開がつくった明と暗

 人馬ともに、千両役者――。誰しもがそう思う騎乗、走りだった。今年の東京開催を締めくくるGⅠジャパンCは、1番人気の武豊ドウデュースが貫禄勝ちを収めた。

 前半3~5Fは37秒1―50秒0―62秒2の超スローペース。近年まれに見る遅い流れに各馬が折り合いに苦労する中、ドウデュースは後方2番目のいつもの位置取りで、脚をためた。

 馬群が凝縮したまま、レースの上がり3Fが33秒4となる究極の瞬発力勝負に。ドウデュースにおあつらえ向きの展開となり、自身は残り4~3Fの12秒5のラップ地点を大外を馬なりのまま上がって進出。勢いをつけて直線に入ると、一気に前の10頭を馬なりでかわした。2番手に浮上してから左ムチが入ったほどで、②着同着となった海外遠征帰りのシンエンペラー、ドゥレッツァとは、首差以上の力の差を見せつける貫禄勝ちだった。

 天皇賞・秋→ジャパンCの連勝で鞍上・武豊にとっても見事に鬱憤を晴らした。昨年は天皇賞当日に“まさかの”負傷となり、乗り替わりを余儀なくされて、結果は⑦④着。有馬記念での復活Vもそうだが、リベンジマッチとなったこの2戦を制したように、要所要所できっちり結果を残すあたり、名手たるゆえんだろう。

 また馬もこの秋は別馬のよう。以前は強さとモロさを抱えているイメージだったが、5歳秋を迎えてハーツクライ産駒らしい青天井の上昇ぶりである。

 天皇賞は上がり3Fが32秒5、そしてこの日のジャパンCが32秒7と末脚に磨きがかかると同時に、その使える脚の距離も長くなっている。

 これで獲得総賞金は17億円超え。ラストランの有馬記念も勝てば22億7000万円超えで、歴代トップとなる。さらに、秋の古馬王道GⅠ3連勝なら褒賞金2億円もゲットできる。

 00年テイエムオペラオー、04年ゼンノロブロイしか成し遂げていない秋完全制覇の快挙へ。この歴史的な千両役者のコンビなら、大きな期待を寄せられる。

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