【根岸S】千四で連勝街道を進むエンペラーワケアは第2のモーニンか
公開日:2024年1月29日 14:00 更新日:2024年1月29日 14:00
杉山晴厩舎がデーリーダブルでGⅠにリーチ
新星誕生と言っていいだろう。日曜東京のGⅢ根岸Sは1番人気のエンペラーワケアが堂々たる走りで抜け出した。
好位5番手から前を見る形で、直線は楽な手応えで坂を駆け上がってくる。反応良く、ゴーサインを出すとグングンと加速。ムチは1発だけ。勝ち時計の東京千四1分24秒1は近10年で最も遅いが、着差は最大の2馬身半差。力の差がつきにくい流れから、ワンサイドゲームに持ち込むのだから、その瞬発力は特筆すべき点だろう。
しかも、これが昇級初戦で初めての重賞挑戦。体質の弱さがあり、休養が長くなった時期もあったが、これがデビュー7戦目の4歳馬。それでも戦歴は⑤①①②①①①着と、芝だった初戦を除けば、ダートではまだ6戦5勝②着1回と底を見せていない。
同じように軌跡が重なるのが16年の勝ち馬モーニン。初出走から6戦5勝③着1回で根岸Sを制すると、フェブラリーSでも勢いは止まらず、一気にGⅠ馬へと上り詰めた。それに似た勢いすら感じる。
ただ、杉山晴師は「今後に関してはまだ考えていません。無理させたくないので。(フェブラリーS出走の)可能性はゼロではありませんが、まずは様子を見てから」と慎重な姿勢を見せていた。
出走となれば、中2週で再度の東上となる。これまでの最短は新馬⑤→未勝利①着の中3週。体質が強化されて完成しつつある段階とはいえ、無理はしたくないのも理解できる。また、パッタリ止まるイメージは湧かないものの、千四→マイルへの距離延長も鍵となってこよう。
今年のフェブラリーSは昨年の最優秀ダート馬レモンポップがサウジ遠征で不在だが、多士済々のメンバーが名乗りを上げている。
ウィルソンテソーロやミックファイアはサウジCに招待されなければ参戦の意向だし、地方の年度代表馬イグナイターを筆頭に、中央からもキングズソード、ドゥラエレーデや芝のGⅠ馬シャンパンカラーも予定しており、出走ボーダーはかなり上がっている。昨年のJRA重賞勝ち馬でさえ、除外対象になっている現状だ。
エンペラーワケアが出走なら馬券的な妙味も含め、今年最初のGⅠは盛り上がるのは間違いないところ。とはいえ、参戦しなくとも、ダート界に新星が現れたのは喜ばしいことである。