【サウジカップデー】また世界のヤハギだ 快挙を成し遂げた二刀流2頭のこの先は!?
公開日:2023年2月27日 14:00 更新日:2023年2月27日 14:08
昨年は12頭の遠征で4勝を挙げたサウジカップデー。今年は大挙20頭が出走して勝利は3つに終わったが、これまですべて⑥着以下に終わっていたサウジCでパンサラッサが勝利したことは、間違いなく日本の競馬史に残る出来事といえよう。
もちろん、レッドシーターフハンデ=シルヴァーソニックの勝利も快挙である。父はオルフェーヴル。池江師は自身の代表馬の子供で海外重賞を勝利したことに、感無量といった表情を浮かべていた。
だが、やはり海外といえば矢作厩舎か。
昨年のサウジではステイフーリッシュでレッドシーターフハンデを制覇し、3月のドバイではそのステイがドバイゴールドCも連勝。そしてバスラットレオンはゴドルフィンマイルを逃げ切って“アッ”と言わせ、ドバイターフではパンサラッサが逃げ切り(ロードノースと①着同着)。1年で海外重賞を4勝した。
今年はバスラットレオンが1351ターフスプリントにエントリーし、またまた逃げ切り。そしてメインのサウジCではパンサラッサが最内枠から最近にない好スタートを切り、見事な先頭ゴールイン。①着賞金1000万ドル、約13億円を獲得した。
単に勝っただけではなく、勝利の瞬間に2頭の“二刀流”が誕生。
バスラットが昨年、ドバイで勝ったゴドルフィンマイルはダート、今回は芝。そしてパンサラッサのドバイターフはその名の通り芝で、今回はダート戦。ダートは20年暮れに中山の師走Sで2番手から⑪着の記録があるだけ。日本の砂とサウジは違うとはいえ、思い切って挑戦した関係者の慧眼には感服する。
また、鞍上がともに日本人による勝利だったこともエポックメーキングである。バスラット鞍上の坂井は豊富な海外遠征経験が昨秋から今年にかけてのブレークにつながり、吉田豊はパンサラッサで再び脚光を浴びた。昨年のドバイターフ勝ちは海外初GⅠ勝ちであると同時に、14年ぶりのGⅠ制覇だったのだ。
さて、「広尾レース」の2頭のこの先の選択肢はかなり広がる。ともに次はドバイに転戦。バスラットはゴドルフィンマイルで連覇を狙うことになりそうだが、パンサラッサは連覇がかかるドバイターフだけではなく、ダートのドバイワールドCも視野に入ってきそう。さらに秋はBCクラシック出走もあるか――。
一躍、世界の注目の的となった“ゴドルフィンブルー”ならぬ“広尾ブルー”。まずは1カ月先のドバイを楽しみに待ちたい。