安田隆厩舎から新星誕生

　アグリが勢いに乗って重賞に初挑戦する。

　現在３連勝中。ゆったりと間隔をあけて使われて、２歳時は③①着、３歳前半戦は１勝クラスで②③着。夏の初戦も④着だったが、そこから快進撃が始まった。

　２戦目は好位から１馬身４分の１差の押し切り。一息入れて、秋の２勝クラスもあっさりと４馬身差で逃げ切った。１勝クラスと違い、足踏みすることはなかった。そして、六甲アイランドＳへ。

　ここも好発を決め、行きたい馬を先にやって２番手から。抜群の手応えで４角を回り、早々と先頭に立つと１馬身半差をつけてゴールイン。オープン馬に駆け上がった。

　安田助手は「２走前にＣ・デムーロ騎手が乗って、今までにないような瞬発力。前走も圧勝の内容でしたからね。去年の夏を過ぎたあたりから走りが変わってきました。馬に芯も入った。それがレースにも表れています」と話す。

　中間は放牧を挟み、元気いっぱい。先々週は坂路４Ｆ５０秒８の自己ベスト。先週も５１秒７―１２秒１で駆け上がり、好調子をアピールした。

「以前はケイコでもすぐに手前を替えたりしていたけど、今はタイミング良く替えるようになっています。ためを利かせてどれだけの脚を使うか見てみたい。阪神の千四はいい舞台。重賞初挑戦でも楽しみです」

　安田隆師といえば、１２、１３年にスプリンターズＳ、香港スプリントを連覇した“絶対王者”ロードカナロア、１１年のスプリンターズＳ、１２年の高松宮記念を制した“短距離女王”カレンチャン。これら名馬を筆頭に、短距離界で多くのドラマをつくり出してきた。

　来年の２月いっぱいで定年となり、いよいよラストイヤーとなる。新星を生み出すか。