【東京新聞杯】ハイラップ逃げで存在感を示したウインカーネリアン
公開日:2023年2月6日 14:00 更新日:2023年2月6日 14:00
6歳にして見つかった勝利のスタイル
GⅠに向けて価値ある勝利となった。
東京で行われたGⅢ東京新聞杯は4番人気ウインカーネリアンが逃げ切りで重賞2勝目をマークした。
前走のマイルCS(⑫着)ではゲートで立ち上がり、再審査を課せられた。しかし、それもホライゾネットを着用してクリア。この日もレースで着用して臨んだ。課題のスタートは軽く出負けしたくらい。抜群のダッシュ力でハナへ。
二の脚が利いて主導権を握った時点で、結果的にこの日は“勝負あり”だったか。
中身は非常に濃い。2番手に突っつかれる形で5F通過が57秒1と息の入りにくい展開となってしまったものの、手応え十分で東京の坂を駆け上がる。残り2F地点で追い出すと、11秒6の脚を使って後続を突き放してセーフティーリードを確保。ラスト1Fも12秒1でまとめて②着馬の猛追を頭差しのいだ。
勝ち時計は19年インディチャンプ(同年の安田記念①着)が持つレースレコードを0秒1塗り替える千六1分31秒8の好記録。ラップを精査しても最初の1F12秒3が一番遅く、道中は11秒0~11秒4と緩みのない厳しい流れ。先行勢総崩れの展開に持ち込んでおり、まさに“肉を切らせて骨を断つ”走りだった。
しかも、時計の出づらいDコース、2月の厳寒期での記録だけに価値ありだ。
昨年に3連勝を飾った際は2~3番手から前を見て運ぶ競馬で結果を出したが、この日は逃げの一手。好記録とともに自分で競馬をつくるスタイルを確立したなら、春のGⅠ戦線でも怖い存在となる。
3歳春にもGⅠ皐月賞④着はあった。そこからスクリーンヒーロー産駒らしい成長曲線で、明け6歳でもさらに進化している。
また、三浦とのコンビで全8勝。鞍上はJRA984勝だが、ビッグタイトルはまだ縁がない。この春、人馬とも初GⅠ制覇があっても――。そう思える強い勝ち方だった。