朝日杯FSはサートゥルナーリア産駒がGⅠ初制覇 母の父ハーツクライは2年連続でV
公開日:2025年12月23日 07:00 更新日:2025年12月23日 07:00
日曜に阪神で行われた2歳GⅠの朝日杯フューチュリティSはサートゥルナーリア産駒のカヴァレリッツォがV。産駒のGⅠ初制覇となった。
サートゥルナーリアはロードカナロアの直子。産駒の勝ち鞍はマイル~二千が中心でカナロアよりもやや距離がもつイメージだ。父はデビューから4連勝でホープフルS、皐月賞を制したが、産駒も重賞勝ち5勝のうち2歳戦で3勝だから仕上がり早の印象。サートゥルナーリアは母がシーザリオできょうだいにはエピファネイア、リオンディーズもおり、母系も優秀。ロードカナロアの後継として期待も高い。
加えて、カヴァレリッツォは母の父ハーツクライも良かったか。土曜発行の紙面のコラムにも書いたように、阪神JFと朝日杯FSは同じ阪神マイルで行われる2歳GⅠでも活躍する血の傾向が違う。阪神JFはダイワメジャーの血がよく走り、今年の勝ち馬スターアニスも母の父がダイワメジャー。一方、朝日杯FSは昨年に続き、2年連続で母の父ハーツの馬が制している。来年以降も阪神JFのダイワメジャー、朝日杯FSのハーツクライには注目してもらいたい。
もう1点、カヴァレリッツォに向いたのが馬場だろう。キングカメハメハ系は馬力があり雨馬場を苦にしない馬が多い。ちなみに先週の日曜阪神は雨で芝は稍から重へと悪化。6鞍あった芝のレースで、6Rの新馬戦を除く5鞍で父キンカメ系の馬が勝っている。それだけ同系向きの馬場だったことは付記しておきたい。
負けて強しの競馬だったのは②着のダイヤモンドノット。ハナを切って重馬場で前半の千㍍通過58秒2ならレースは流れている。それでいて直線はいったんは抜け出し、押し切るかのシーンを作った。母エンドレスノットの全弟にダービー馬マカヒキがいるが、どちらかといえばスピード寄りの母系。同じブリックスアンドモルタル×ディープインパクトにははサウジアラビアRC勝ち馬のゴンバデカーブースもいるから、配合のイメージはマイラー。前走の京王杯2歳S勝ちが強かったように、母系にフレンチデピュティの血を持っており、東京マイルがマッチしそうなイメージがある。
③着は1番人気のアドマイヤクワッズ。こちらはスタートでやや後手を踏んで後方から。①②着馬が直線で内を通ったのに対して、こちらは外を回した分もあったか。血統面でも祖母が仏二千四百の重賞勝ち馬で曾祖母も仏二千五百のGⅢ馬。母系は欧州のスタミナ型だから、配合からはもう少し距離が伸びた方が良さそうなイメージはある。上位2頭とはマイル適性という面でも一歩譲ったか。
④着はモズアスコット産駒のエコロアルバ。父はフランケル産駒の芝砂GⅠウイナー。馬力型で馬場は苦にしないタイプだ。ただし、産駒は現状スプリンター寄りの馬が多い印象。エコロは母の半兄にシルクロードSを連覇したダンスディレクターがいるからマイルはギリギリか。モズアスコット産駒は非根幹距離での勝ち鞍も多いだけに、ベストは7F戦かもしれない。
⑤着リアライズシリウスは何度かこのコラムで取り上げたポエティックフレア産駒。受胎率の低さがネックとなっているが、数少ない初年度産駒がGⅠで好走するのだから、やはり種牡馬としてのポテンシャルは高いのだろう。ただ、父は重馬場での勝ち鞍はあるものの未勝利戦でのもの。重賞級では勝ち切れないレースを続けており、本質的には良馬場向き。産駒も雨馬場は得意でない可能性がありそうだ。
最終週を残し今年の2歳種牡馬リーディングトップはエピファネイア
来週はいよいよ今年の中央競馬最終週。2歳の中距離GⅠホープフルSもあるので、ここで今年の2歳戦を振り返ってみたい。
2歳リーディングを見ると昨年2位だったエピファネイアが現在トップ。朝日杯を勝ったサートゥルナーリアが2位で、3位が昨年トップのキズナ。4位に新種牡馬のコントレイルが入っている。エピファとキズナは2歳リーディングの常連。注目はサートゥルとコントレイルだ。特にコントレイルは当初なかなか勝てなかったが、大崩れが少なく初年度から上位にランクインしたあたり、さすが今年の新種牡馬の大本命といったところ。
サートゥルナーリア産駒は今年の2歳重賞で最多の3勝。産駒の成績が落ちやすい2世代目で成績を出しているから、こちらもやはりポテンシャルは高いのだろう。
距離を二千芝に限定して今年の2歳リーディングを見るとトップは変わらずエピファで勝率・400、③着内率・633とかなりのハイアベレージ。コントレイルが2位にアップして、3位にはキタサンブラックが入ってくる。サートゥルナーリアは5位なのだが、この距離は重賞の京都2歳S1勝のみ。距離が延びるとやや不安が出てくる印象だ。なお、ホープフルSにはエピファ、サートゥル、コントレイル産駒が2頭ずつ、キズナ産駒1頭が登録している。果たしてどんな結果となるのか。
そろそろ中山は冬のロベルトが時期が到来!?
土曜に中山で行われた牝馬重賞のターコイズSはドロップオブライトが昨年のCBC賞以来の重賞制覇。父トーセンラーは中距離で活躍したが、産駒は牡馬が中距離型、牝馬はマイラー型に出やすい。同馬も以前はスプリント戦を中心に使っていたが、年齢を重ねマイラー寄りにシフトしてきたか。配合的にスパッと切れるタイプではないため、前後半の3F34秒7、4F46秒5のイーブンペースのレースもマッチした。
②着にスクリーンヒーロー産駒のリラボニート、③着は母の父ストロングリターンのソルトクィーンとロベルト内包馬が人気薄で好走。そろそろ中山は冬のロベルトの時季が到来してきたか。

























