先週は本番と同じ舞台で前哨戦が3鞍 凱旋門賞のオッズはどう動いたのか

公開日:2025年9月11日 14:00 更新日:2025年9月11日 14:00

 今週も海外馬券発売が行われる。GⅠ愛チャンピオンSにシンエンペラーが出走するからだ。発走はJRAの発表では9月13日(土)、25時30分。つまり、日曜の午前1時半である。また、クロワデュノールは14日(日)にパリロンシャン競馬場で行われる芝二千メートルのGⅢプランスドランジュ賞が秋初戦。2頭ともここをステップに凱旋門賞を目指す。

 さて、先週はそのパリロンシャン競馬場で本番と同じ舞台での前哨戦が3鞍行われた。しかも、そのいずれもが波乱の結果に。まさに今年の凱旋門賞戦線は風雲急を告げるといったところか。

 先週の時点で凱旋門賞の前売り1番人気はカルパナという牝馬だった。

 昨秋、GⅠ英チャンピオンズフィリーズ&メアズSを制し、今年はGⅠばかり3戦して③②②着と安定した成績。だが、先週6日に英GⅢセプテンバーSというオールウェザーの二千四百メートル戦に出走して②着に敗退。大方の予想としては「ここは勝たなきゃいけないレース」。負けたことで評価が急落した。

 この時点での1番人気候補は2頭。牝馬のミニーホーク、同じく牝馬のワールだ。

 ミニーホークはデビュー2戦目から5連勝中。英、愛、ヨークシャーオークスと牝馬限定のGⅠを3連勝した3歳馬。凱旋門賞は牝馬が強いレースでもあり、ずっと人気上位にいる。

 A・オブライエン師が管理しており、主戦はムーア。ただ、そのムーアが骨折で戦線を離脱しており、秋は全休となる。代打を誰が務めるのかも焦点。有力なのはスミヨンだが……。

 同厩舎のワールも先週までは人気上位だった。しかし、先週のヴェルメイユ賞で6頭立ての最下位に敗れ、一気に10番人気くらいにまで下落。

 逆に評価が上がった牝馬がアヴァンチュール。昨年はヴェルメイユ賞②着から凱旋門賞で②着。今年は勝って、大一番に向かう。

 道悪も上手だし、7戦連続連対の安定感も魅力である。鞍上のギュイヨンはフランスでリーディングを何度か取っているものの、凱旋門賞制覇はまだ。ついに今年、手が届くか。

シンエンペラー、クロワデュノールの結果次第で日本馬が上位人気独占!?

 牝馬が人気上位を占める中、牡馬で注目されているのはどの馬か。

 まずはソジー。昨年、パリ大賞を制し、凱旋門賞では④着。今年もガネー賞、イスパーン賞を制してGⅠを3勝。そのすべてがパリロンシャンというコース巧者だ。

 この馬は先週、フォワ賞に出走して②着。それを負かしたのが日本のビザンチンドリームというわけ。

 近年、メンバーのレベルに疑問符が付くことも多いレースだが、今年はソジーの他にも昨年の凱旋門賞③着馬ロスアンゼルスが出走(④着)。今年から本番まで中3週になったとあって、メンバーが厚くなった印象だ。

 それだけにこの勝利には価値があるし、勝ち時計の二千四百メートル2分28秒32も、ヴェルメイユ賞の2分29秒34、ニエル賞の2分30秒56と比べて、抜けて速いことが分かる。

 また、ニエル賞の結果により、評価がさらに上がったのがアロヒアリイだ。先日のギヨームドルナノ賞を逃げ切り。この時、③着に負かしたクアリフィカーがニエル賞を制した。アロヒアリイはこの馬より、3馬身半以上も前にいたのだ。

 そして、今週末、日本馬の人気はさらに上がるかもしれない。

 まずは土曜深夜、愛チャンピオンSのシンエンペラーはドバイシーマクラシック⑦着以来の実戦となる。昨年もこのレースに出走して③着。昨年はフランスに輸送してから出走したが、今年は直でアイルランドへ。英インターナショナルSの②着馬で、レーティング126は世界4位タイのドラクロワと激突する可能性もあり、ここは楽しみな一戦となる。

 そして日本の総大将・クロワデュノールは日曜に海外デビュー。すでにクロワデュノールは海外ブックメーカーで3番人気に。シンエンペラーは前走の負けにより人気は上位ではないが、今回の結果によっては上昇することも予想される。

 まだまだオッズは変動の可能性十分。本番は日本馬VS欧州牝馬の図式となるかもしれない。

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