栗東の田中翔大記者はオークスの3連単13万馬券に続き、ダービーも◎注△でズバリ。好配当から堅い決着まで変幻自在に仕留めている。もちろん、今週の安田記念も絶好調男に乗る手。その狙いは――。
ジュンブロッサムはマイルGⅠを勝てるだけの器である。
根拠はまず昨年の水無月Sだ。勝ち時計は1分31秒5で、京都外回りマイルで歴代3位タイ。上位はサングレーザー、ワールドエース、ダノンシャーク、シュネルマイスターで、いずれもGⅠ、もしくはGⅡでのもの。これだけの記録を3勝クラスの身でマークしたのがこの馬だった。
その能力通りに昨秋の富士Sで重賞初制覇。ソウルラッシュを外から豪快にねじ伏せて、さらに1馬身突き放したから掛け値なしの強さ。
その後はマイルCS⑩着→東京新聞杯⑩着と精彩を欠いたが、2戦とも走り切れていない。
戦績を振り返ると、マイル戦は④④②②①⑤①③①着と崩れ知らず。重馬場を除けば、常に上がり3F32秒4~33秒3の脚を使っていた。ところが、前記の2戦はともに34秒台。末脚不発という言葉がふさわしく、全く力を出し切れなかった。
その理由としてローテーションや59キロの斤量などもあるが、最大の敗因は実は状態面だ。「2戦ともいいと思って送り出したけど、今思えば動きは少し物足りなかった印象」とは友道師。良化の余地を残す中でのレースだったからオミットしたい。
そんな馬がようやく復調の兆しを見せたのが前走のマイラーズC。
序盤は後方2番手でじっくり脚をため、ラスト600メートル付近から徐々に進出開始。直線入り口では馬群の5~6頭分外を回りながらも、半馬身差の②着まで差を詰めてきた。上がり3Fは33秒2をマーク。大一番を前に“らしい”末脚が戻った点に好感が持てる。
もちろん、前哨戦を使ってさらに上向きだ。
2週前のCウッドでは6F79秒8―35秒2、1F11秒1の猛時計。そして先週はラスト1F10秒9のハイラップ締めと、しまいの爆発力に磨きがかかっている。
総仕上げとなる最終追い切りは引っ張り切りで坂路56秒0―12秒0。これには指揮官も「いい雰囲気ですね」と太鼓判を押す。さらに「前走からようやくいい頃の感じに戻ってきたけど、使った今回はさらに上がっています」とキッパリだ。
秘めた能力は間違いなくGⅠ級。完全復調となった今なら、ビッグタイトルに手が届く。
18年入社の32歳 トラックマンTV出演中
◆田中翔大…北海道生まれ、神奈川育ち。ヒゲと黒縁メガネがトレードマークの32歳。横浜DeNAベイスターズのファンで、トレセンの記者同士の草野球では主力を自称している。
学生時代のアルバイトを経て2018年に日刊ゲンダイに入社。東京本社の編集で修業を積み、20年から美浦で現場記者として取材をスタートした。22年に栗東へ電撃移籍して、現在は友道厩舎、藤原英厩舎などトップステーブルを担当している。
足で稼いだ情報と鋭い観察眼、理系らしい冷静な分析力で期待値の高い本命馬を導き出し、好配当ヒットを連発。グリーンチャンネル「トラックマンTV」に出演中だ。