【阪神ジュベナイルF】アルマヴェローチェ直線一気 上位勢3頭に共通していた経験、実績、体力の証明
公開日:2024年12月9日 14:00 更新日:2024年12月9日 14:00
桜花賞は違う舞台
淀で行われた2歳女王決定戦は荒れた。きのうの阪神ジュベナイルフィリーズだ。
5番人気のアルマヴェローチェが外から差し切り、②着は8番人気ビップデイジー。③着は7番人気のテリオスララで馬単は万馬券。3連単は22万馬券という高配当となった。勝ち馬が新馬勝ち→札幌2歳S②着なら、②③着馬は目下、2連勝中。戦績だけなら決して買えないことはない3頭であった。
何が“人気の盲点”となったか。①③着馬は右回りの芝千八で2戦連続して連対し、②着馬を含めた上位3頭は、前走を牡馬相手に好走していた。メンタル、体力面で上回っていたということだろう。
1番人気ブラウンラチェットの⑯着という大負けもソコ。軽さ、スピードで勝ると思われたアルテミスSの勝ち馬は、荒れが進んだ京都の馬場を克服できなかった。「道中でもまれ、2度ほど窮屈に。経験の浅さが出たかな」と手塚師が敗因を挙げているからだ。
その1番人気馬の前から外差しを決めたのがアルマだった。内の②着馬との併せ馬の直線から最後はグイッと伸びて突き抜けた。上がり34秒3の鮮やかな脚だった。
「桜花賞を考えたらマイル戦は避けて通れない。しっかりと対応してくれた」とは笑顔の上村師だから、初マイルでの快勝は明るいクラシックシーズンが見えた1勝にもなった。
ただし、だ。来年のクラシック戦線はまだまだ荒れる可能性はある。例年なら2歳GⅠ、桜花賞は同じ阪神の舞台だが、今年の2歳GⅠはリフレッシュ工事のために、この淀開催となった。
阪神は3月にリニューアルオープンで今年の2歳勢は全馬、ここで初めて仁川の急坂を経験することになる。当然、向き、不向きも出てくるだろう。
11カ月ぶりの芝なら当然、馬場コンディションは良く、速くなるであろう決着時計への対応が求められる。GⅠ勝ちの1分33秒4を詰められるかが、2歳女王のひとつ課題ともなる。