競走時間の拡大は終了したが、夏はこれからが本番 興味深い灼熱中京の暑熱対策とは
公開日:2024年8月8日 14:00 更新日:2024年8月8日 14:02
先々週、先週と続いた新潟の暑熱対策による競走時間の拡大。まだまだ課題は山積しているが、ファンにはおおむね好意的に受け取られたか。
実際、馬券の売り上げは昨年との比較で、2回新潟初日が98億→119億、2日目が159億→181億、3日目は102億→107億、4日目は150億→164億円とすべて増加。同時開催の札幌でも増えたから、興行的には大成功といえよう。
ただし〝移動〟の問題はつきまとう。
馬、厩務員などは新潟後半のレースを使うと、帰りが例年よりかなり遅くなる。これは騎乗するジョッキーも同様だ。
さらに、騎手に関しては土曜新潟、日曜札幌のパターンがとにかく大変になる。
新潟から札幌(千歳)は直行便が出ているが、新潟最終Rまで乗ると間に合わない。おのずと、新潟の後半をキャンセルして早めに移動するか、翌朝に移動して札幌の前半を乗らないかが主な選択。ただ、先週日曜、松山が土曜新潟12Rまで乗り、翌朝に移動しようとしたところ、航空券の購入手続きを錯誤し、騎乗予定であった札幌7Rの検量終了時刻に間に合わず、騎手変更に。8月17日、18日の2日間、騎乗停止となった例もある。移動も騎手の仕事、責任ではあるが、いわゆる夏休み期間で人の移動が多いシーズンだけに、チケットの確保に苦労するケースもあるだろう。
また、馬では「イレ込みやすい馬だと遅い時間まで待機するのは大変」という厩舎関係者の声もある一方、装鞍所への集合時間がレース50分前から40分前になったり、パドック周回時間の短縮は好意的な意見もあった。
しかし、競走時間の拡大は先週までの2週間のみ。一方、暑さはこの8月が〝本番〟である。
特に今週からスタートする中京は危険なレベルの暑さ。今週土曜は最高気温38度くらいになりそうだ。
そこでJRAも「冷やし中京、はじめました」として中“涼”競馬場をアピールしている。
サイレンススズカ広場に「ひやしゲート」を設けたり、ミストシャワーを振りまきながら「冷やしたGirls」が競馬場内を巡回したり、さらに夏の高校野球観戦に必須の「かちわり」を「勝ちわり、いかGuys」が場内を巡って販売したりなどなど。さらにパノラマカー裏では雪エリアが登場する。
とにかく現地観戦する方は熱中症対策を万全にして、また馬やジョッキーなどは事故がないことを祈るばかりだ。