【皐月賞】シンエンペラー、ホウオウプロザンゲ、ミスタージーティーの〝3本の矢〟で挑む矢作調教師
公開日:2024年4月10日 14:00 更新日:2024年4月10日 14:28
シンエンペラーは意外にも「まだ一気に上昇というところまでは至っていない」(矢作調教師)
皐月賞への3頭出し──。
矢作厩舎は弥生賞ディープインパクト記念②着のシンエンペラー、若葉Sの勝ち馬ミスタージーティー、②着のホウオウプロザンゲを出走させる。
「調教師冥利に尽きますね。ただ、それ以上にいい馬を預けてもらっているので、もっともっと出さないと、というのが正直な気持ち」
矢作師はこう話す。皐月賞は4年前の3冠馬コントレイルで制して、それ以来の出走となるが、今年は強固な〝3本の矢〟で挑む。
シンエンペラーは全兄が凱旋門賞馬ソットサスというバックボーン。昨暮のホープフルSでも②着があり、クラシックタイトルを期待するなという方が無理な一頭だ。
「ソットサス以上を求めていますし、それだけの器だと思う。走り方、馬のバランスは非常にヨーロッパ的な中で、日本の競馬に適応できていることが全体的な総合力の高さ」と話しつつも、「良くなってはきているけど、まだ一気に上昇というところまでは至っていない。もうワンパンチほしいのが正直なところ。秋、あるいは来年に完成されるんじゃないかと思っている」
別掲の最終追い切り後の会見では、冷静かつ、高い期待の裏返しでもあるコメントとなった。
浅いブリンカーで挑むミスタージーティー、逃げ宣言はホウオウプロザンゲ
ミスタージーティーは同じ中山二千㍍の舞台ではホープフルSで⑤着がある。
3歳初戦の共同通信杯はテンションの高さから折り合いを欠いて⑦着に沈んだが、今回と似た舞台の阪神二千の若葉Sで巻き返し。勝って皐月賞切符をゲットした。ただし──。
「抜け出してから、もっと千切ると思っていた。抜け出してやめるところがあったので浅いブリンカーを着ける。追い切りでも集中力が増したように思うので競馬でも着けていきたい。(スタンド前発走なので)ゲート裏でもメンコをするなり、万全の態勢を考えたい」
ひと工夫を加えることを明かした。豊富な厩舎キャリアから、選んでくるベストチョイスはどんな馬装となるか。
そして、堂々の逃げ宣言はホウオウプロザンゲ。昨秋のアイビーSでハナを切って②着と粘ったが、前走の若葉Sでも逃げたらしぶといことを証明している。
「シンエンペラー以上に集中力を欠く面がある。気を抜くところが課題。ただ、(1週前のラスト1F11秒4が)この馬らしくない動き。少しずつ力をつけているのかなと思う。現状では中山二千㍍はいい条件だし、強い逃げ馬も出てくるが、行かせたいと思う」
トレーナーはこう言い切った。
勝てば、JRAのGⅠは21年ジャパンC=コントレイル、海外を含めると昨年のサウジC=パンサラッサ以来となる。3頭の脚質的にも〝逃げ、好位、差し〟と揃うから〝世界のヤハギ〟に怖さはある。