牡馬クラシック戦線はいまだ混戦模様

　京成杯は５番人気のダノンデサイルが差し切って、こちらも重賞初制覇となった。

　道中は中団の外めを追走。直線は馬場の外めを１完歩ごとに力強く伸びて４分の３馬身差でゴール板を駆け抜けた。

「オーナーサイドからボクと翔伍（安田翔師）で自由にやらせてもらってるんで、馬もそれに応えてノビノビと良くなってますね」

　レース後にそう話したのは自身が持つＪＲＡ最年長重賞Ｖ記録を更新した横山典だ。

　デビューから二人三脚で取り組んできた成果が形となって表れた瞬間であったし、クラシックに向けて賞金を加算できたのも大きい。

　ただ、戦績を振り返ると、前走の京都２歳Ｓでは④着止まり。そこで勝ったシンエンペラーは、続くホープフルＳで牝馬のレガレイラに一蹴されていた。

　また、最優秀２歳牝馬のアスコリピチェーノも新馬勝ち後に新潟２歳Ｓで牡馬をなで斬り。全体的に見れば、今のところ３歳世代の牡馬は牝馬ほどのインパクトを残せていない。

　もちろん、３戦３勝で朝日杯フューチュリティＳを制して最優秀２歳牡馬に輝いたジャンタルマンタルの存在もあるが、断然の主役という雰囲気まではどうか。

　ダノンも１冠目と同じ舞台の重賞を勝ったことで、クラシックの有力候補に名乗りをあげたのは間違いないところ。とはいえ、明け３歳牡馬の勢力図がはっきりするまでには、もう少し時間がかかりそうだ。