【神戸新聞杯】6年ぶりの関東馬V!? 栗東滞在からトライアル、そして菊花賞を狙う3頭の美浦勢

公開日:2023年9月20日 14:00 更新日:2023年9月20日 14:00

関東馬の勝利は藤沢和厩舎の3頭だけ

 神戸新聞杯における関東馬の活躍──。このレースは菊花賞のトライアルとなっている。

 ただし、東西の出走比は偏っており、86年のグレード制導入以降では関西馬の440頭に対し、関東馬はわずか27頭のみ。もちろん、関東圏に同じステップ戦でセントライト記念があるため。こちらは東395頭、西129頭。美浦勢は地元レースから菊花賞へ、もしくは古馬GⅠ戦へと続戦する流れとなっている。

 話を戻して神戸新聞杯では、その少ない関東馬が勝ったのは3度だけ。ひとつの厩舎しか勝利していない。もう21年前になる02年シンボリクリスエスに、翌年のゼンノロブロイ。そして、17年レイデオロ。ご存知、古馬となっても活躍した藤沢和厩舎の名馬たちだ。

 関西優勢の菊トライアルだが、今年は美浦から過去最大頭数の4頭が出走する。サスツルギ、シーズンリッチ、ナイトインロンドンにハーツコンチェルトで02年の3頭を上回った。

 うち、ナイトを除いた3頭は栗東に滞在から挑む。これは美浦坂路の改修工事が関係している。早めの栗東入りからトライアルを使い、レース後も栗東に居残って本番へつなげる形だ。

シーズンリッチは本番を見据えて栗東入り

 初の栗東となったのは毎日杯勝ち馬でもあるシーズンリッチ。

 山崎助手は「本番までに輸送を2度したくないこともあり、先週の金曜(15日)に栗東へ入りました。毎日杯(①着)の時は阪神競馬場へ到着後に馬がソワソワしていましたが、今回、栗東に来てからは思ったより落ち着いていました。これは良かったです」と話す。追い切りの詳報は別記を参照していただきたいが、「先週で502㌔。検疫所で見た時点で大きくなったのを感じました。後ろがしっかりとして迫力が出ました」と続けた。

 ハーツコンチェルトも初の栗東。8月に美浦へと帰厩し、コースで3本追ってから、7日に移動。調整を進めている。

 1週前は寺島厩舎の2頭と併走で真ん中に入り、ダイナミックなフォームで抜け出した。ラスト1Fは11秒2。春に比べて胸前に一層、筋肉がついてきた印象もある。手綱を取った松山は「噛み合わなくて勝ち切れなていないので、早くタイトルを獲りたい」と力が入った。最終追いはあすの木曜。日本ダービー③着馬がどんな動きを見せるか注目だ。

サスツルギは「いい方に進んでいる」(北村宏)

 唯一、2度目の栗東調整となるのは、木村厩舎のサスツルギ。

 勝った前走の木曽川特別時が初滞在で、当時は宝塚記念に出走するイクイノックスの調教パートナーも務めていた。今回は9月3日の移動から3週間、栗東で過ごしている。ふっくらとした丸みを帯びた馬体が印象的で〝栗東の水〟は合う様子。

 最終追いに乗った北村宏は「コンディションはいいなと感じました。聞いていた印象よりも(課題が)いい方に進んでいるのを確認できました」と話す。

 5月29日の美浦坂路の閉鎖以降、栗東に滞在して重賞挑戦した関東馬は6頭。サンカルパ(マーメイドS⑨着)、イクイノックス(宝塚記念①着)、スルーセブンシーズ(同②着)、ウイングレイテスト(中京記念④着)、ククナ(小倉記念⑥着)、ブレイディヴェーグ(ローズS②着)と半数が連対した。

 今回の3頭はいずれも順調だ。6年ぶりに関東勢の勝ち馬が出ても不思議はない。

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