【宝塚記念】勝つのにいるものといらないものとは

公開日:2023年6月22日 14:00 更新日:2023年6月22日 14:00

レ―ス史上、一頭もいない上がり33秒台

 宝塚記念を考えるにあたって最大のポイントは直線が359・1メートルしかない(Bコース使用時)内回りで行われるということだろう。

 となれば、まず問われるのが直線が短いコースに必要な、器用な立ち回り。ある程度、位置を取ることも重要になる。

 例えば、昨年は2番手からタイトルホルダーが二千二百メートル2分9秒7のレコード勝ち。一昨年も4番手からクロノジェネシスが抜け出し、②着は逃げたユニコーンライオンが粘った。③着は2番手にいたレイパパレである。つまり、4角4番手以内にいた中の3頭で決着しているのだ。

 宝塚記念はこのように4コーナーで好位にいることが絶対条件。どんなに悪くても、9番手以内にいないと勝ち負けには加わりづらい。

 実際、グレード制導入後、4角10番手以降から差し切りを決めたのは2頭だけ。09年ドリームジャーニー、12年オルフェーヴルのきょうだいだ。ドリームジャーニーは10番手、オルフェーヴルは12番手だった。

 この2頭はともに有馬記念も制しており、グランプリにおいて異様な強さを発揮したが、これ以外はすべて4角9番手以内が勝利の条件。しかも、勝ち馬39頭のうち、5番手以内が30頭(京都で施行の年も含む)だから、できれば4コーナーでは完全に前を射程圏内に入れていないと、勝ち切るのは難しい。

 この点が東京で行われるGⅠと大きく違うところ。当然、そういうレースだけに、速い上がりの脚はいらない。というより、使えない。

 東京は直線が525・9メートル。上がり3Fはほぼ直線になるが、阪神内回りの残り600メートル標は3コーナーを回ったあたり。残り400メートルは4コーナー手前だから、この200メートルはずっとカーブ。そう、240メートルほどずっと曲がりながら走るのだから、トップスピードに乗りにくいのだ。

 同時に梅雨時とあってなかなかパンパンの良馬場ということは珍しく、それも速い上がりにならない理由のひとつ。

 実際、勝ち馬の上がり3Fベスト3は96年マヤノトップガン=34秒6、21年クロノジェネシス=34秒4、09年ドリームジャーニー=34秒3。負けた馬を含めた時の最速馬は15年の②着馬デニムアンドルビー=34秒0で、宝塚記念で33秒台の脚を使えた馬は歴史上、一頭もいないのだ。

 つまり、勝つのに必要なものは小回り向きのスピードの持続力、機動力や器用さであり、逆にそれがあれば、33秒台の脚がなくても勝負になるということ。これが最大のポイントである。

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