【英ダービー】ディープ産駒オーギュストロダンが快挙 日本にも表れていた勝利の〝前兆〟
公開日:2023年6月5日 14:00 更新日:2023年6月5日 14:00
3日(土)の夜、英国ダービーをアイルランドで生まれたディープインパクト産駒のオーギュストロダンが制し、日本の競馬ファンも歓喜した。
周知の通り、ディープは19年7月に死亡。今年の3歳世代が最後だが、産駒はわずか12頭だけ。日本に6頭、海外に6頭。そのうちの1頭から、本場のダービーを勝つ馬が出たのだから凄い。
残した産駒は08年に生まれた現15歳から、20年生まれまでの13世代。そのすべてからGⅠ馬を輩出(オーギュストロダンは昨年に英国2歳GⅠのフューチュリティTも勝利)して、18年にはスタディオブマンがジョッケクルブ賞(仏ダービー)を勝利していることから、日仏英の3カ国でダービー馬を出したことになる。
日本のダービーは12年ディープブリランテが初勝利で、13年キズナ、16年マカヒキ、18年ワグネリアン、19年ロジャーバローズ、20年コントレイル、21年シャフリヤールで7勝。長距離戦であっても、速さ、瞬発力で制した産駒が多いが、本場のダービーは高低差が40メートルもある世界一といってもいいタフなコースだ。以前のディープ産駒のイメージからすると、明らかに克服困難だが……。
近年、国内のディープ産駒はスタミナよりに寄ってきていた印象がある。
千六で勝ったのは21年マイルCS=グランアレグリアが最後。その一方、フィエールマンが18年菊花賞、19、20年の天皇賞・春、ワールドプレミアが19年菊花賞、21年天皇賞・春を制した。
昨年の菊花賞馬アスクビクターモア、今春の天皇賞馬ジャスティンパレスもディープ産駒だ。
また、ブラゾンダムール、ゼノヴァースは中山の障害GⅠでも連対。種牡馬としてキャリアを重ねるうちに、英オークス②着、独GⅠアラルポカル(二千四百メートル)勝ちの母ウインドインハーヘアの血が濃く出てきたのだろうか。
いずれにせよ、この勝利は歴史的な快挙。秋の凱旋門賞のオッズで1番人気に躍り出たブックメーカーもあるほどだ。
すでに18年の英2000ギニーを勝ったディープ産駒サクソンウォリアーも種馬としてGⅠ馬を出しているが、オーギュストロダンも遠くない将来には種牡馬入りするだろう。今度はディープの血が逆輸入され、日本のターフを走る可能性は十分にあり得る。
亡くなってもう4年近くになるが、ディープはまた競馬ファンに新たな楽しみを残してくれた。