【日本ダービー】「7冠目を狙いたい」武豊 ファントムシーフに3週連続で調教をつけたその感触、日本ダービーへの意気込みを聞いた

公開日:2023年5月24日 14:00 更新日:2023年5月25日 14:42

過去33回で6勝

 日本ダービー6勝。数々の歴史を塗り替えてきた武豊の中でも燦然と輝く、偉大な記録である。

 東京優駿での初騎乗は88年コスモアンバー。デビュー2年目の19歳だった。24頭立ての⑯着だったが、10度目の挑戦となった98年スペシャルウィークが初Vで、その翌年はアドマイヤベガで早速、連覇。以降、02年タニノギムレット、05年ディープインパクトに13年キズナ。そして、昨年のドウデュース。33回挑んで6度も制した。

 その名手は今年、ファントムシーフとのコンビで挑む。その意気込みを聞いた。

 ◇  ◇  ◇

「かなり状態はいい」(武豊)

──最終追い切りはCウッドで6F84秒3、3F37秒4─11秒3。その感触を。

「乗る前に〝ここまで順調にきている〟というのを聞いての最終追い切り。先週、しっかりと動いていたので強くなり過ぎないように。実際に、追い切りの動きはすごくよく、雰囲気もいい。折り合いもしっかりとついて反応もよかった。軽くGOサインを出そうかな、という時には馬が自分から反応し、ギアを上げる感じになったのでそれ以上、強く走らせないように少し抑えて走っていました。かなり状態はいいと思います」

──3週連続追い切りとなりましたが。

「2週前からすると1週ずつ状態が上がり、先週はかなりいい動きだったので、ダービーに向けてはホントにちょうどいいくらいの調整。仕上げはすごくいい」

──ファントムシーフの特徴は。

「ポテンシャルの高い馬だなとは感じましたし、それほど、乗っていて大きい癖がある馬でもなく、どちらかと言えば、乗りやすい方かな。一瞬の切れというより、バテないようなスタミナを持っていそう。そういうところをレースで生かせたら」

──騎乗前のイメージと、実際に乗った感触の違いはありましたか。

「それほど、イメージと大きく変わるところはなかった。もともと、総合力が高いのかな、とは思っていましたし、性格的にも大きく問題はないのかなと思っていて、実際にそんな感じ。いい馬ですよ。

レース自体はゲートあいてみないと分からないことも沢山ありますが、レースに向けてやる事はやれている。ダービーとなると周りの雰囲気も高いので、馬に伝わり過ぎないように、水曜日の段階ではこの状態でいいと思う。何も問題なく、すごくいい状態で迎えている」

「ダービーはテン乗りでは勝てない、が今年で終わればいい」

──ちなみに、騎乗依頼がきた時の心境は。

「凄くうれしかったですよ。声をかけてもらう前では今年のダービーは騎乗馬がいなかったので、乗りたいなとは思っていて、特にファントムシーフに乗れたらいいなと個人的に思っていたので。調教師の先生(西村師)はダービーが初めてで、調教担当の方(梛木助手)が生まれた時がボクのダービー初騎乗(88年コスモアンバー)。キャリアをあらためて感じた。何度もダービーに乗せてもらってきているので、そこも何とか生かして結果につなげたいなという気持ちはあります」

──舞台は東京二千四百㍍。

「レースでは乗っていませんが、過去のレースを見ても血統的にも、東京の二千四百㍍は合っていそうなイメージはありますね。左回りの成績はいいのでそこもプラス。厩舎の方とも話して、中山の二千㍍(皐月賞)よりも東京の二千四百㍍の方が合う、と。前走、乗ったクリストフ(C・ルメール騎手)も『東京の方がいいと思う』と話していたので」

──6勝を挙げる武豊騎手ですが、ダービーとは。

「やっぱり、特別なレースですよね。競馬の世界に携わる人は皆、夢の目標のレースですから。雰囲気も違います。昨年もいい馬でチャンスがあると思って挑みましたが、今年もファントムシーフという素晴らしい馬に騎乗して挑める。嬉しく、ありがたいこと。その期待にも応えたいという思いは強いですね。今年はテン乗りなので周りからは〝テン乗りはダービーを勝てない〟という話をよく振られますが、それが今年で終わればいいなと思っています(笑)」

──意気込みを。

「過去のどの馬も共通して、ダービー勝つ馬はホント、いい馬達ばかり。そういう意味ではファントムシーフに初めて調教に乗った時に〝さすがにいい馬だな〟と思ったので、同じような感触はあります。こういういい馬で挑めるのでチャンスだと思っています。もちろん、相手は強いですし、皆、ここを目標で勝ちたいと思っていますから簡単ではないですけど、チャンスはあると思っているので、7勝目を狙いたい」

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