【日本ダービー】新たな格言「ダービー馬はダービートレーナーから」 現役最多3勝の友道師
公開日:2023年5月23日 14:00 更新日:2023年5月23日 14:00
ここ5年の勝ち馬には共通点がある。それは、過去にダービーを勝ったことがある調教師が管理していたということ。18年ワグネリアンの友道師、19年ロジャーバローズの角居師、20年コントレイルの矢作師、21年シャフリヤールの藤原英師といずれも2度目の勝利。さらに、昨年はドウデュースで友道師による3度目の美酒だった。今年はタスティエーラの堀師、サトノグランツ、シャザーンで2頭出しの友道師、トップナイフの昆師が該当する。新たな格言「ダービー馬はダービートレーナーから」が今年も!?
現役最多となるダービー3勝を挙げている友道師は2頭で連覇に挑む。
サトノグランツ一戦ごとに末脚増す
まずはサトノグランツだ。3戦目の阪神千八で勝ち上がると、続くゆきやなぎ賞を連勝。差し、追い込み勢が上位を独占する中での、先行押し切りだから首差以上に強い内容だった。
打って変わって京都新聞杯では鋭い決め手を披露した。前半5F63秒8の超スローで、ラストは5Fから1Fまで加速ラップ。道中5番手は“普通なら”ない位置だろう。それを4角手前からロングスパートで差し切ったのだから、1頭だけ役者が違った印象だ。
「長くいい脚で、よく差し切ってくれましたね。一戦ごとに馬が良くなって、脚も使えるように。あのレースぶりなら、府中の二千四百メートルは合うと思うんですよ」(友道師)
未勝利Vの上がり3Fが35秒0、ゆきやなぎ賞が34秒6。そして京都新聞杯では33秒3と、クラスが上がりながらも末脚は鋭さを増している。底を見せてないどころか、相手が強くなれば強くなるほどパフォーマンスを上げているのだ。ならばGⅠでも期待は膨らむ。
シャザーン良血馬が反撃態勢
もう1頭はシャザーン。父ロードカナロア、母クイーンズリングの超良血馬で、その血にたがわぬレースぶりを見せてきた。
圧巻だったのが2走前のすみれSだ。上がりがかかる阪神の内回りで、3F33秒1はまさに異次元。二千メートル以上では13年大阪杯のオルフェーヴルがマークした33秒0に次ぐものだから、末脚は優にGⅠ級と言っていい。
皐月賞こそ⑥着に終わったが、上がり3Fはメンバー2位タイ。直線では“突き抜けるか”のシーンもつくっており、師も「内容は決して悪くない。いい馬場で走らせたかったですよね」と悲観はしていない。馬場が違えば、結果もまた違っていただろう。
1週前のCウッドでは岩田望を背に7F95秒8―35秒7、1F11秒1の猛時計をマークと、体調はすこぶる良好だ。反撃態勢は整っている。
“ダービーの勝ち方”を熟知する名門・友道厩舎。ダービー史上初となる連覇となるか。