【天皇賞・春】ルメールで4戦4勝 ジャスティンパレスに気になるこの先の鞍上バッティング
公開日:2023年5月1日 14:00 更新日:2023年5月1日 14:00
4月22日にグランドオープンした京都競馬場で3年ぶりに行われた天皇賞。制したのはルメール鞍上のジャスティンパレスで、うれしい初めてのGⅠタイトルとなった。
「直線はエンジョイしてました」
レース後にそう話したルメールの言葉通り、完勝と言っていいだろう。
道中は先行勢を前に見ながら「冷静に走ってました」と振り返ったように折り合いもがピタリ。ムダな力みがなく、リズムのいい走りになった。
こうなれば脚をしっかり“貯金”できるからレース運びは楽。強力ライバルのタイトルホルダーがズルズルとポジションを下げる中、4角入り口ではスムーズに4番手まで上昇。直線はディープボンドをリードホースにするものの、それも一瞬だけ。ラスト1F手前で早々と先頭に立つと、あとは危なげのないフィニッシュで、接戦にもならない2馬身半差だから、“強かった”の言葉しか出てこない。
初のGⅠ勝ちがこの勝ちっぷり。思えば明け4歳シーズン初戦の阪神大賞典が2走前の有馬記念時と比較して16キロの馬体増。それがひとたたきした本番の今回でも増減なし。「3歳時は追い切って減っていたが、今は減らなくなった」と杉山晴師。驚異的な成長度がもたらした戴冠だったと言えよう。
さらに鞍上との相性の良さも絶大だ。デビュー時の手綱を託されたのがルメールで、新馬勝ち、黄菊賞と2連勝。その後は騎乗機会がなかったが、手戻りとなった阪神大賞典、そして天皇賞とこれで4戦4勝だから、これ以上ない最強パートナーである。
それだけに気になるのはコンビ継続がうまくできるかどうか。ルメールのパートナーといえば古馬でいえば今年の一番手はもちろん、年度代表馬イクイノックスだ。
他にも古馬だけではなく、3歳世代にもお手馬がズラリ。今後の路線は未定だが、秋を含めてこの先、どの路線を歩んでもバッティングする可能性がある。その場合でもルメールをきっちりリザーブできれば鬼に金棒だが、果たして……。