【天皇賞・春】単勝1番人気で平地GⅠ競走中止は2002年以来 タイトルホルダーの復活はあるか
公開日:2023年5月1日 14:00 更新日:2023年5月1日 14:00
まさかの失速に新装の京都競馬場は騒然とした雰囲気に包まれた――。
単勝1・7倍の断然人気に支持されたタイトルホルダーが最後の直線を迎える前に競走中止となってしまったからだ。
この日は度重なる厳しい展開を強いられてしまった。
内枠3番枠からスタート。押して押して二の脚で主導権を握ったかと思いきや、外から強引に17番アフリカンゴールドにハナを奪われる。テンの3Fは12秒3―10秒8―11秒9と、稍重ながらもレース史上最速のラップを刻んでしまう。
じわじわと持ち前のスタミナがむしばまれながら、前半5F59秒7を2番手で通過すると、その後にかわして先頭へ。以降も12秒0―12秒0とラップは落ちず、後続にピッタリマークされて全く息が入らない展開だった。
結局、残り4F地点で後続にのみ込まれ、抵抗するところがないままに手綱を引いて下馬。競走中止となり、JRAの発表は“右前肢跛行”。管理する栗田徹師は「馬は大丈夫そうですが、これから検査です」「今は右前が少し硬い感じです」と言葉少なに引き揚げた。
平地GⅠにおける1番人気馬が競走中止となった例は近30年で1998年天皇賞・秋のサイレンススズカ、2002年菊花賞のノーリーズンの2例が。今回はおよそ20年ぶりのこと。
昨春は天皇賞を勝ち、宝塚記念でGⅠ3勝目をあげたものの、秋の凱旋門賞、有馬記念と⑪⑨着と連敗。前走の日経賞で8馬身差の圧勝を飾り、復活と思わせたが、その直後のアクシデント。
今後の動向には注目だが、これまでも数々の逆境を乗り越えてGⅠ勝ちを積み上げてきた現役屈指のファイターだ。次走で真の完全復活を待ちたい。