【天皇賞・春】データ派・新谷が徹底分析(阪神大賞典)

公開日:2023年4月24日 14:00 更新日:2023年4月24日 14:00

本番と直結する後半のラップ形態だけに価値が高い

 日経賞に続いて天皇賞春で結果を出しているのは阪神三千メートル芝で行われる阪神大賞典組だ。

 過去10年では〈2 4 4 47〉で、計57頭がここをステップに本番へ向かっている。ただし、近年は別路線に押され気味で、最後の勝利が18年のレインボーライン。19年以降の4年間は②着が2回だけとなっている。

 今年は1番人気ボルドグフーシュ、2番人気ジャスティンパレスと菊花賞②③着馬が人気上位の4歳馬対決の図式で、決着時計は3分6秒1だった。

 昨年が3分5秒0で、一昨年は3分7秒3。ただし、一昨年は重馬場だから単純比較はできず、良馬場限定となると、前10年と比較すると、14年に次いで遅いものとなった。

 この要因となったのが前半5Fだろう。

 スタートから13秒0―12秒3―13秒3―13秒3―13秒0でトータルは64秒9。長丁場だから前半はラップが落ちるのは当たり前なのだが、それにしても3F目から1F13秒台が3つも続くのはレアケース。64秒9というのは前10年比較でも最も遅い入りで、これに続くのが63秒2だから、1秒7差もある抜けて遅いラップだった。

 その前半だけみれば、レベルは低いと思われがちも。逆に速くなったのが後半の5Fでこちらは11秒9―11秒6―11秒4―11秒3―11秒7。阪神大賞典では歴代初のオール1F11秒台になった。トータルの後半5Fは57秒9と歴代2位タイの数字だ。

 ちなみに阪神大賞典の後半5Fが59秒0を基準としてそれと同等か、それより速かったのは他に歴代で5回。最速の57秒8がマヤノトップガンと伝説のたたき合いになった96年ナリタブライアンで天皇賞春が②着だ。そして同じ57秒9が02年ナリタトップロード=③着。さらに22年ディープボンド=②着、98年メジロブライト=①着と後半5Fが早い中で結果を出した勝ち馬は本番で馬券を外していない。それだけにジャスティンパレスには心強いデータか。

 また②着ボルドグフーシュもここまで上がりが速くなると、少しでも外を回すとロスが大きい。0秒3差でも着差以上の力量差はもちろん、ないだろう。

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