【皐月賞】ファントムシーフにとってここは暮れのリベンジの舞台(ネットオリジナル)
公開日:2023年4月13日 14:00 更新日:2023年4月13日 14:00
週末版の新企画「注目重賞 データで買う」でもクローズアップされると思うが、2000年以降の皐月賞組は、共同通信杯組の好走が目立つ。
先鞭をつけたのが12年ゴールドシップ。〝ゴルシワープ〟と呼ばれる4角イン突きの立ち回りで押し切ったが、その後の10年でも共同通信杯組は16頭出走で5勝。率がいい。ちなみに、前走①着馬が8頭で3勝し、②着馬は4頭で2勝。②着なしの成績だから馬券的には〝頭狙い〟が有効となる。
今年の通信杯勝ち馬ファントムシーフをクローズアップしてみる。
戦績は4戦3勝。昨年の6月阪神マイルの新馬戦を制し、9月の二千㍍戦の野路菊Sも快勝。一気にクラシック戦線のホープとして頭角を現してきた。
初重賞でのGⅠVを狙ったのが年末のホープフルS。ただし、これは0秒2差の④着。初黒星がついた。
「ゲートからの一歩目が出ませんでした。レース後、福永さんには〝体ができていたけど、競馬に入り切れていなかった〟と。落ち着き過ぎていた感じでした」
梛木助手はこう敗因を挙げる。実際に、リカバーが利かない最内枠で遅れたため、道中は7番手のイン。2番手のドゥラエレーデ、ハナを切ったトップナイフが残る展開で動けなかったから、持ち味を生かせずに終わったレースでもあった。
「スタートでの一歩目の重要性を感じたので、普段のキャンターを降ろす時から一歩目を意識して。それもあり、共同通信杯ではファントムの長くいい脚を使えるポジションで競馬ができました」
前走は反省を糧にした勝利でもあった。あとは踏襲するのみ──。
他のローテー組と比較して本番までの時間があるのも共同通信杯組の強み。2カ月間の中8週だ。放牧を挟み、ひと月前の3月15日からCウッドでの併せ馬を5本と消化した。先週、今週はルメール騎乗で直線の2Fを11秒2─11秒5、11秒4─11秒2で上がった。
「引き揚げてきた時には息も入り始めていたので余力がありました。満足のいく追い切り。厩舎も高松宮記念(ファストフォース)を勝ち、いい流れできた。古豪の先輩が勝つと人も馬も勇気づけられるもの。続いてほしい」
同じ中山二千㍍。暮れのリベンジ戦は好ムードで迎えることになる。