【大阪杯】悲願のGⅠタイトル奪取なるかヴェルトライゼンデ(ネットオリジナル)

公開日:2023年3月30日 17:00 更新日:2023年3月30日 17:38

池江厩舎は阪神二千、さらに大阪杯に強い

 悲願のGⅠ制覇となるか。6歳ヴェルトライゼンデに注目だ。

 能力は間違いなく世代トップクラスだ。ただ、生まれた時代が悪かったか。19年ホープフルS②着に20年ダービー③着と、あと一歩のところまで来ていたが、同期の3冠馬コントレイルが厚い壁となっていた。

〝来年こそは〟と飛躍を期した4歳シーズン。しかしながら、今度は屈腱炎が判明。約1年5カ月の戦線離脱を余儀なくされた。

 ここでの悔しさが、力に化けたか。

 昨年6月の鳴尾記念で復帰すると、ここでいきなり勝利。秋にはオールカマーをたたいてジャパンC③着。約2年ぶりのGⅠにもかかわらず、直線では単独先頭のシーンを演出と、堂々たるレースぶりを見せた。一線級を相手に0秒1差は胸を張れるもので、完全復活を印象付けた。

 6歳シーズンを迎えた今年は充実一途。

 前走の日経新春杯はトップハンデ59㌔を背負いながら差し切り勝ち。②着とは首差でも、4㌔の斤量差を考えれば完勝と言えよう。池江師はこう振り返る。

「状態には不安がなかったですが、かつて背負ったことのない斤量でしたからね。馬場も重かったので、余計にこたえるんじゃないかなと。その中で、あの競馬。肉体的に成熟したことが、レースの安定感につながりました」

 その後は大阪杯に向けて調整。悲願の初タイトルに向けて、仕上がりには抜かりなしだ。2月21日の帰厩から豊富に乗り込まれて、合計で6本を追い切りを消化してきた。時計にならないところも含めれば、週4本ペースで坂路を上がってきた。

 直前追い切りでは川田を背に4F52秒8をマーク。仕掛けられてからの反応は抜群で、ラスト2F12秒9─12秒1の加速ラップでフィニッシュした。仕上がりは文句なしの〝A〟評価だ。

「2週前あたりまでは動きが緩慢でしたが、先週の追い切りから良くなりましたね。この馬、本来のシャープな動き。いい状態で臨めそうです」

 状態の良さに加えて、初の阪神コースも追い風になりそう。というのも、池江厩舎が阪神二千㍍にめっぽう強いのだ。

 これまで阪神二千㍍戦を166戦して31勝。このうち、10勝が重賞であり、単勝・複勝回収率が100%オーバーという、驚異的な数字を残している。

 大阪杯ではヴェルトの父ドリームジャーニー、そしてオルフェーヴルがGⅡ時代に勝利。GⅠ昇格後には9番人気アルアインが勝利を飾ったように、好成績を挙げている。

 トレーナーは「長い脚を使うというよりも、抜け出すときの脚が速い。ジャパンCを見てもそうでしょ。だから阪神二千は合ってると思うんだ」と勝算ありの口ぶりだった。

 ビッグタイトル奪取の条件は揃った。

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