【大阪杯】ジャックドールを勝利に導けば武豊は区切りのGⅠ80勝に 「結果を出したい気持ちは強い」(ネットオリジナル)
公開日:2023年3月29日 14:00 更新日:2023年3月29日 14:00
29日の午前10時13分、ジャックドールとコンビを組む武豊の会見が始まった。
カメラマンがシャッター音を鳴らし、そこからスタートした。白いジャンパーに身を包んだ〝いつもの武豊〟という雰囲気だった。
「今回、また騎乗させてもらえる。非常にこたえたい気持ちが強いですね。ジャックドールもGⅠホースになるチャンス。力を出し切りたい」
こう力強く話した。
コメントにあるように初コンビは、前走の香港カップ。ひとつ外の枠のジオグリフが暴れたことで釣られて出遅れ。8番手での1角進入となっている。
「まず、結果を出せなかったことは残念でした。ただ、本当にいい馬だということは感じました」と振り返る。
2度目の背中となったのが、本日の最終追い切り。9時20分、厩舎スタッフにひかれ、ジャックドールがマロー場へ姿を現すと、近づき顔をなでてコンタクトを取っている。馬は500㍍の角馬場へ移動。ウォーミングアップを済ませたあとに武豊は騎乗した。
9時53分、Bコースに出て、併走相手のスパイラルノヴァの後ろを歩き、向正面へ。Cウッドへはそこから降ろす藤岡健厩舎のパターンだ。ここから追い切り開始。2角過ぎから先行するスパイラルノヴァの2馬身後方を追走する形で、道中は随分とリラックスした走り。内へ併せて直線へ。6F80秒3、3F35秒6、ラストは11秒0。1Fで追われるとグッと重心が下がり、迫力のある伸びを見せた。軽々と2馬身先着だった。
「先生から軽くなり過ぎないように、と聞いていた。直線も仕掛けて、スッと反応してくれた。初めて乗ったのが香港(レース)で調教は比較はできないけど、非常に力強い、いい動きでタイムもきょうの馬場状態とすれば、いいタイムで走りました。馬がよくなったのは感じましたね」
鞍下から伝わる感触ををこう表現した。
武豊は大阪杯で、GⅡ時代から88年フレッシュボイス、90年スーパークリーク、93年メジロマックイーン、97年マーベラスサンデー、98年エアグルーヴ、14年キズナで制し、GⅠ昇格の初年度にキタサンブラックで勝っている。
「持っているもの、ポテンシャルの高さはかなりある。それをレースで発揮できれば、というところ。過去のレースぶりを見ると気分よく、自分のペースで走れた時の方がいいのかな、と。そこですね。乗った感じでは本当にいい馬だと感じますし、GⅠに届いても不思議ない馬」
こう言葉が続くから、やはりジャック評は高い。その光り輝く栗毛の馬体をGⅠ馬に導けるか。
「結果を出したい気持ちは強い」
追い切り直後、会見と何度もこのセリフが出た。GⅠ騎乗593戦目。勝てば、2023年初GⅠとなり、区切りとなる80勝にも到達する。狙っているのは間違いない。