【アメリカJCC】視界良好ノースブリッジ右回りならさらなる高みも
公開日:2023年1月23日 14:00 更新日:2023年1月23日 14:00
GⅠに向けて視界良好と言える快勝だ。GⅡアメリカJCCは4番人気の5歳馬ノースブリッジがうれしい重賞2勝目を挙げた。
逃げ馬が前半5F61秒3の遅い展開をつくり、それを4番手で追走。鞍上・岩田康が手綱を絞って、前進気勢をしっかり押さえ込んでリズム良く運んだ。
一方、1番人気ガイアフォース、2番人気エピファニーの4歳勢も同じような位置にいた。
だが、ガイアは勝負どころから後続馬が上がってくると、かぶせられて手応えが怪しくなった。エピファニーも道中の力みがスタミナを消耗させて4角で下がり始め、直線の失速につながった。
勝因は人気の4歳馬2頭にはなかった豊富なキャリア
端的に言えば、積んできた経験の差が出たか。ノースブリッジは残り2F地点から追い出して、推定11秒1の脚で先頭に立ち、そのまま最後1Fを12秒0でまとめた。
好位で運び、立ち回りのうまさから一瞬の脚で直線で抜け出して、勝負を決める――。まさに理想的な競馬といえる。
また、中間は前走の天皇賞・秋⑪着から在厩で調整。近年は短期放牧などを経て、馬の入れ替えを頻繁に行う。それにより馬房の回転率を上げ、出走回数を増やす。その風潮と真逆の調整は馬主と厩舎、そして2週続けて調教に駆けつけた鞍上との関係性のたまものでもある。
GⅢエプソムCに続くGⅡ制覇。次はGⅠがターゲットになる。春はGⅠ大阪杯あたりか。
舞台となる阪神内回り二千は器用さが求められるコース。まさにこの馬にはピッタリの条件だ。しかも、馬場が悪化すれば、さらにプラス材料となる。
いずれにしても、父の父スクリーンヒーローから父モーリスへと続く奥手の血統が、5歳を迎えて開花してきたのは間違いないところ。これからも要注目の存在だ。