夏の福島は暑い。盆地で、すぐ近くに阿武隈川が流れ、湿気を含んだ熱気が競馬場を包み込む。2014年の七夕賞当日は、小雨のじめっとした天気。気温は上がり切らなかったが、湿気がまとわりつくようだった。
その年の1番人気はトップハンデの前年覇者マイネルラクリマ。2番人気は本格化前のラブリーデイで、3番人気がローカルGⅢの常連ダコールだ。
人気が割れてどこからでも入れそうな状況。私が狙ったのは5番人気メイショウナルトだ。2ケタ着順が4回続いたが、展開が向けば……。期待をかけながら実況席に座った。
ハナを切ったメイショウナルトは、平均ペースのラップを刻みながら、直線ではセーフティーリード。ほぼ逃げ切りが見えていた。
しかし、声を張ってしゃべりながら②着争いを確認すると、全く買っていないニューダイナスティが頑張っているではないか。心の中で「げげげー、やめてくれー」ともだえながら、口では「メイショウナルト逃げ切ってゴールイン!」と格好良く絶叫。我ながらプロの仕事だ(笑)。
さて、馬券を外した犯人であるニューダイナスティは10番人気。京都大賞典やアルゼンチン共和国杯といったGⅡで、着順はともかく先行して見せ場をつくっていた。その経験が糧となり、七夕賞の好走につながったように思う。そのニューダイナスティは、我が母校・立教大学の馬術部で乗馬大会に出場し、いまだに活躍している。
その反省から、重賞経験を積み重ねてきた馬の激走を狙うなら、今年はエヒトだろう。前々走のAJCCは、3コーナー過ぎで下がってきた馬の後ろに入ってしまいズルズル後退。直線で伸びかけたところ、今度は前をカットされてブレーキをかける不利が重なった。前走の京都記念は中団後方に控え、動くに動けずに直線で差を詰めて0秒4差⑦着。いずれも敗因がハッキリしている。
GⅡでこれだけ走れれば、ハンデ戦のGⅢならもっと上位を狙えるはずだ。54キロで一発に期待する。
【3連複】軸1頭流し
⑯―③⑥⑧⑪⑫⑬⑮
◎エヒト
○フォルコメン
▲ヴァンケドミンゴ
注アンティシペイト
△ヒートオンビート
△ヒュミドール
△モズナガレボシ
△プリマヴィスタ