ラフターラインズ バラ一族悲願のオークスVへ視界良好
先週は東京で土日にオークス、ダービーのトライアルが行われた。いずれも前哨戦という位置づけもありペースは落ち着き、東京らしい瞬発力勝負になった。
まず、日曜のフローラS。勝ちタイムは1分59秒3だが、上位2頭が上がり3F32秒8という極限の末脚をマーク。例年のスタミナ重視のレースというよりも、サンデーサイレンス系の〝切れ〟が結果を左右するレースとなった。
勝ったラフターラインズは中団から差し切り。父はディープインパクト直仔のアルアイン。産駒は本質的に持続力寄りが多いが、母系は決め手に優れた馬が多いバラ一族だ。上がり33秒台を連発するタイプを多く出している系統で、本馬はサンデーの3×4のクロスにより瞬発力が強調された配合となっている。
デビューから5戦全て上がり最速で、32秒台も3度目。決め手勝負においては世代でもトップクラスの存在だ。母系は晩成傾向が強く、オークスでも4代母ロゼカラー④着、3代母ローズバド②着、叔母スタニングローズ②着とあと一歩で涙を飲んできた。本馬も本格化は秋以降かと思っていたが、この内容なら本番は大いに楽しみだ。一方で、これまでハイペースを経験していない点は課題。流れが厳しくなった際にパフォーマンスを維持できるかが本番での焦点となる。
②着はキズナ産駒のエンネ。勝ち馬と同じ上がり32秒8の末脚で猛追したものの、わずかに及ばなかった。キズナ産駒で母の父サドラーズウェルズ系、祖母の父ダンチヒ系はエリキングと同じ。エリキングは昨年のダービーでメンバー最速の上がりをマークし、神戸新聞杯を32秒3で差し切っている。エンネはデビュー戦の前走が上がり3Fメンバー最速だから、この配合は決め手勝負向きに出やすいのだろう。デビュー2戦目でこの内容なら文句なし。ただし、キズナ産駒はクラシック本番で意外といい結果が出ない点は頭に入れておきたい。
③着リアライズルミナスはシルバーステート産駒。サンデー系ではあるが、同産駒はどちらかと言えば持続力型。母の父ルーラーシップでトニービン内包しており、長くいい脚を使うタイプ。好位から直線では勝ち馬と一緒に伸びかけたが、最後は決め手の差が出た感じ。持続力勝負で見直したい。
④着エイシンウィスパーは父がルーラーシップ。母エリーズモーメントがブライアンズタイムと4分の3同血とロベルト系の血を内包しておりスタミナ勝負型。2番手から粘り込む形も、瞬発力勝負では分が悪かった。こちらも持続力勝負の中距離戦で狙いが立つ。
コントレイル産駒ダービーと同舞台で重賞初勝利
土曜日に東京で行われた青葉賞はゴーイントゥスカイが勝利。昨年の新種牡馬コントレイルにとってはこれが産駒の重賞初勝利となった。
以前にも書いたことがあるが、コントレイル産駒は意外とスタミナ寄りのタイプが多い。産駒は中距離以上での成績が良く、ダービーと同じ東京二千四百㍍での重賞初制覇がそれを象徴している。
レースはスローから上がり3F34秒2。上位2頭は33秒台の脚を使っている。母の父にタピットが入っていることで、大トビのタイプに出やすく、東京が向く配合となっている。こちらも、ラフターラインズと同様、ハイペースは未経験。その点が今後の課題となる。
②着タイダルロックはモーリス産駒。母アースライズは昨年のダービー馬クロワデュノールの半姉だ。モーリス産駒はマイラーと中距離型に分かれるのだが、本馬は母系の影響を受けた中距離型。サンデーの4×3のクロスがあるとはいえ、スパッと切れるイメージでもなかったから、今回のような脚を使えたのは収穫だった。
1番人気のブラックオリンピアは③着。好位から競馬を進めたものの、最後は勝ち馬から2馬身半離されたから決め手の差が出た感じ。キタサンブラック産駒で、母系は豪州系。母の父ピエロはオーストラリアの2歳3冠馬で、切れよりも持続力勝負に強い血だ。33秒台の上がり勝負となるとやはり分が悪い。両レースとも東京の開幕週の良馬場らしく、サンデー由来の瞬発力が結果に直結した。
復調アドマイヤズームは今年さらに伸びる!?
一方、同じく開幕週の良馬場で行われた京都のマイラーズCは性質が異なる。勝ち時計は1分31秒7、上がりは33秒4と数字自体は速いが、勝ったアドマイヤズームは2番手からの押し切り。3コーナー下りからペースが上がり、なおかつ直線は平坦。一瞬の切れよりも後半、いかにスピードを維持できるかが求められた。
アドマイヤズームはモーリス産駒。タイダルロックと同じだが、こちらが祖母フォルナリーがボールドルーラー系×ミスプロ系で、ややマイル寄りの配合となっている。モーリス産駒はもともとスピードの持続力に優れた馬が多く、本馬も2歳GⅠの朝日杯FSでは2番手から抜け出し②着に3馬身差。マイルの速い流れを前から押し切るのは得意パターンだ。母の父ハーツクライの配合から成長力も十分あり、復調した今シーズンはさらなるパワーアップがあってもよさそうだ。
②着ドラゴンブーストはモーリスの父でもあるスクリーンヒーロー産駒。母トーコーディオーネはミスプロ系エンパイアメーカー産駒で、インリアリティの4×5×4×5のクロスを持ち非常にスピードが豊富な配合。久々のマイル戦も苦にならなかった。こちらも勝ち馬同様ロベルト系で成長力もあり、4歳の今シーズンが楽しみになる走りだった。
③着べラジオボンドはロードカナロア産駒で母の父もキングマンボ系。サンデーサイレンスの血を全く持たない配合だ。東京とは異なり、同じ33秒台の決着でも京都では持続力型が上位を占めたことは象徴的。距離、コース形態による血統適性の違いが明確に出た週だった。






























