亀井記者の血統ロックオン

前残りレコードの皐月賞 ダービーでは差し勢の逆襲がある!?

公開日:2026年4月21日 07:00 更新日:2026年4月21日 09:33

 今年の皐月賞は二千㍍1分56秒5のレコード決着。昨年のホープフルS勝ち馬のロブチェンが逃げ切って、同舞台でのGⅠ連勝を達成。これで二千㍍は3戦3勝になった。

 レコード決着とはいえ千㍍通過は58秒9だから、極端に速い流れではなかったが、後半の千㍍は57秒6。11秒6―11秒8―11秒4―11秒1―11秒7とラストまで11秒台を続ける持続力勝負となり、後続の差し脚を完封した。

 父は昨年の新種牡馬ワールドプレミア。ホープフルSの回顧でも書いたように、ディープインパクト直子でも菊花賞、天皇賞・春を制しているステイヤー型で、瞬発力より持続力に長けたタイプだ。小回り中山で自らペースをつくり、得意の形に持ち込んだことが最大の勝因といえる。最近の中山芝の高速化もあり、このラップを刻まれては、差し馬勢には厳しい展開だった。

 ただし、ダービーとなると話は別。東京は直線が長く、より瞬発力が問われる舞台だ。距離は違うが前走の共同通信杯でもラストは切れ負けしており、現状は小回りの中距離戦がベスト。血統的に距離延長は問題ないとみるが、舞台替わりでのパフォーマン低下は想定しておくべきだろう。

 2番手から競馬を進めたリアライズシリウスが②着。こちらも父は昨年の新種牡馬のポエティックフレア。ただし、同馬もダービーとなると不安がある。父は欧州のマイル路線で活躍しており、ここまで産駒の成績もマイルに集中している。リアライズは母の父がステイゴールドで、スタミナを補完しているとはいえ、二千四百㍍ではやや分が悪いか。

 ③着のライヒスアドラーも同様。父シスキンが欧州のマイラーで、母の父ハーツクライがスタミナを補っているが、同産駒もマイル前後がベスト。やはりダービーでは距離が課題となってきそう。

 となれば、ダービーで見直すのは今回差して届かなかった組だ。フォルテアンジェロはスタートのタイミングが合わず後方から。4角13番手からメンバー最速の33秒4の上がりを使って⑤着と掲示板まで押し上げてきた。父は菊花賞馬で天皇賞・春2勝のフィエールマン。母の父がスプリンターのダークエンジェルだ。スタミナ寄りの父に、母系でスピードを補う配合は近年のダービーで好走するパターンでもある。ホープフルS②着の実績も考えれば十分に巻き返していい。

 もう一頭挙げるなら⑪着のバステール。上がり3F33秒6はメンバー3位タイ。父キタサンブラックでサーアイヴァーのクロスを内包する配合は昨年のダービー馬クロワデュノールや、イクイノックスと同じ。弥生賞ディープインパクト記念の勝ち馬だが、東京二千四百の方がよりマッチしそうだ。

福島牝馬Sはゴールドシップ産駒コガネノソラが9番人気で激走

 日曜福島の福島牝馬Sはレーゼドラマが大逃げを打つ展開となり、前半千㍍通過は58秒8。後続は息を入れるタイミングが少なく、福島千八特有のスタミナと持続力が問われるタフな消耗戦になり、ゴールドシップ産駒のコガネノソラが制した。

 母マイネヒメルは香港ヴァ―ズなどを制したウインマリリンの半姉。母の父ロージズインメイ×ステイゴールド系だから、ローカルの持続力勝負はもってこいだ。人気薄での激走も含めて、いかにも同産駒らしい一戦だったと言える。

 1番人気のパラディレーヌは⑧着。ただ、母系が米国型で、父が内包するストームキャットの血も相まって、スパッと切れる感じではない。それだけにスタートで出遅れて後方からになったことが痛かった。今回の結果は参考外でいい。

ムルソーはレイデオロ産駒でも砂向きのパワー豊富な配合

 土曜に阪神で行われたアンタレスSは1番人気のムルソーが逃げ切り。前半千㍍通過61秒8というダート重賞としては比較的ゆったりとしたペースで流れから、ラストは35秒8でまとめて押し切った。

 ムルソーは芝中距離色が強いレイデオロ産駒だが、母の父がミスプロ系のエンパイアメーカーに加え、シーキングザゴールドの4×4のクロスも内包している。ここがダートをこなすパワーの源になっている。もともとレイデオロ産駒も切れるタイプではなく、スタミナと持続力が武器。ミドルペースからのロングスパート勝負に持ち込むとしぶとい。中距離のダート路線でマイペースの逃げが打てるようならコースを問わず活躍できるのではないか。

 ②着は7番人気のモックモック。こちらは勝ち馬と違ってコースを選ぶ印象。父ダノンレジェンドはヒムヤー系と非主流血統。産駒は阪神ダート千八という特定の舞台でめっぽう強い。同馬もこの舞台で②③②着だ。父に加え、母系にサドラーズウェルズの血を内包しており、古馬になって力を付けてきたのは間違いないが、コース替わりならやや割り引いてもいい気はする。



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亀井辰之介

 競馬好きの父親の影響もあり、子供のころから競馬中継を一緒に観戦。最初は父親が馬券を当てるともらえる臨時の小遣いが目当てだったが(ただし、父は穴党だったため、あまり的中した記憶はない……)、ある日、シンボリルドルフといういかにも強そうな名前の馬が、強く勝つ姿に魅入られたのが競馬ファンになったはじまり。
 その後はテレビゲームの競馬ソフトにどっぷりハマり、今までに遊んできた競馬ゲームは数知れず。その時に競走馬の配合の奥深さを知り、血統に興味を持ったのが今の予想スタイルの根幹か。現在でもたまにゲームをたしなみ、好きだった競走馬の産駒を活躍させることが小さな喜び。
 予想スタイルはもちろん“血統”。各馬の血統を分析。得手、不得手を見極め得意条件に出走する時に狙い撃ち! 好配当を目指します。

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