今年の皐月賞は二千㍍1分56秒5のレコード決着。昨年のホープフルS勝ち馬のロブチェンが逃げ切って、同舞台でのGⅠ連勝を達成。これで二千㍍は3戦3勝になった。
レコード決着とはいえ千㍍通過は58秒9だから、極端に速い流れではなかったが、後半の千㍍は57秒6。11秒6―11秒8―11秒4―11秒1―11秒7とラストまで11秒台を続ける持続力勝負となり、後続の差し脚を完封した。
父は昨年の新種牡馬ワールドプレミア。ホープフルSの回顧でも書いたように、ディープインパクト直子でも菊花賞、天皇賞・春を制しているステイヤー型で、瞬発力より持続力に長けたタイプだ。小回り中山で自らペースをつくり、得意の形に持ち込んだことが最大の勝因といえる。最近の中山芝の高速化もあり、このラップを刻まれては、差し馬勢には厳しい展開だった。
ただし、ダービーとなると話は別。東京は直線が長く、より瞬発力が問われる舞台だ。距離は違うが前走の共同通信杯でもラストは切れ負けしており、現状は小回りの中距離戦がベスト。血統的に距離延長は問題ないとみるが、舞台替わりでのパフォーマン低下は想定しておくべきだろう。
2番手から競馬を進めたリアライズシリウスが②着。こちらも父は昨年の新種牡馬のポエティックフレア。ただし、同馬もダービーとなると不安がある。父は欧州のマイル路線で活躍しており、ここまで産駒の成績もマイルに集中している。リアライズは母の父がステイゴールドで、スタミナを補完しているとはいえ、二千四百㍍ではやや分が悪いか。
③着のライヒスアドラーも同様。父シスキンが欧州のマイラーで、母の父ハーツクライがスタミナを補っているが、同産駒もマイル前後がベスト。やはりダービーでは距離が課題となってきそう。
となれば、ダービーで見直すのは今回差して届かなかった組だ。フォルテアンジェロはスタートのタイミングが合わず後方から。4角13番手からメンバー最速の33秒4の上がりを使って⑤着と掲示板まで押し上げてきた。父は菊花賞馬で天皇賞・春2勝のフィエールマン。母の父がスプリンターのダークエンジェルだ。スタミナ寄りの父に、母系でスピードを補う配合は近年のダービーで好走するパターンでもある。ホープフルS②着の実績も考えれば十分に巻き返していい。
もう一頭挙げるなら⑪着のバステール。上がり3F33秒6はメンバー3位タイ。父キタサンブラックでサーアイヴァーのクロスを内包する配合は昨年のダービー馬クロワデュノールや、イクイノックスと同じ。弥生賞ディープインパクト記念の勝ち馬だが、東京二千四百の方がよりマッチしそうだ。
福島牝馬Sはゴールドシップ産駒コガネノソラが9番人気で激走
日曜福島の福島牝馬Sはレーゼドラマが大逃げを打つ展開となり、前半千㍍通過は58秒8。後続は息を入れるタイミングが少なく、福島千八特有のスタミナと持続力が問われるタフな消耗戦になり、ゴールドシップ産駒のコガネノソラが制した。
母マイネヒメルは香港ヴァ―ズなどを制したウインマリリンの半姉。母の父ロージズインメイ×ステイゴールド系だから、ローカルの持続力勝負はもってこいだ。人気薄での激走も含めて、いかにも同産駒らしい一戦だったと言える。
1番人気のパラディレーヌは⑧着。ただ、母系が米国型で、父が内包するストームキャットの血も相まって、スパッと切れる感じではない。それだけにスタートで出遅れて後方からになったことが痛かった。今回の結果は参考外でいい。
ムルソーはレイデオロ産駒でも砂向きのパワー豊富な配合
土曜に阪神で行われたアンタレスSは1番人気のムルソーが逃げ切り。前半千㍍通過61秒8というダート重賞としては比較的ゆったりとしたペースで流れから、ラストは35秒8でまとめて押し切った。
ムルソーは芝中距離色が強いレイデオロ産駒だが、母の父がミスプロ系のエンパイアメーカーに加え、シーキングザゴールドの4×4のクロスも内包している。ここがダートをこなすパワーの源になっている。もともとレイデオロ産駒も切れるタイプではなく、スタミナと持続力が武器。ミドルペースからのロングスパート勝負に持ち込むとしぶとい。中距離のダート路線でマイペースの逃げが打てるようならコースを問わず活躍できるのではないか。
②着は7番人気のモックモック。こちらは勝ち馬と違ってコースを選ぶ印象。父ダノンレジェンドはヒムヤー系と非主流血統。産駒は阪神ダート千八という特定の舞台でめっぽう強い。同馬もこの舞台で②③②着だ。父に加え、母系にサドラーズウェルズの血を内包しており、古馬になって力を付けてきたのは間違いないが、コース替わりならやや割り引いてもいい気はする。



























