亀井記者の血統ロックオン

スローの前残り馬場で持続力が生きた日経新春杯

公開日:2026年1月20日 07:00 更新日:2026年1月20日 07:00

 先週の京都の芝は前有利。日経新春杯も①~③着馬は道中2、1、3番手と前でレースを進めた馬が上位を独占した。千㍍通過1分1秒4のスローぺースになったことで、先行有利により拍車がかかった結果だ。

 勝ったのは1番人気のゲルチュタール。2番手追走から4角で早めに動くと、しぶとく粘る逃げ馬を振り切って重賞初勝利を飾った。

 父ブリックスアンドモルタルはストームキャット系だが、現役時代は米国の芝中距離で活躍。産駒も芝のマイル~中距離での良績が目立つ。母は短距離路線で走ったキラービューティ。母の半弟にはホープフルS、中日新聞杯を勝ったキラーアビリティなどがいる。前走の菊花賞でも④着と好走したが、血統からすれば三千は距離がやや長い印象。一瞬の切れよりも長くいい脚を使う配合で、今回の持続力勝負の中距離戦はまさにドンピシャの舞台だった。

 ②着は11番人気のファミリータイムが逃げ粘り。こちらは母の父がガリレオで、ヌレイエフとサドラーズウェルズの相似クロスもある馬力型の中距離馬。マイペースの逃げに持ち込めたことで、持ち前のしぶとさを発揮できた。前走の中日新聞杯は中団からと自分の競馬ができずに崩れたが、先手を取れた場合は4戦連続で連対中。同型不在の組み合わせもこの馬に向いた。何度か書いている通り、リアルスティール産駒は千八で強かった父同様、非根幹距離に強い傾向がある。同馬も二千二百㍍で〈4012〉の好成績。宝塚記念に出走してくれば狙ってみたい一頭である。

 ③着のリビアングラスは外枠スタートでも、うまく内の3番手をキープして粘り込んだ。キズナ産駒で母系にニジンスキーが入るスタミナ型。母ディルガも中距離路線で活躍している。こちらも先行馬場を生かしたものの、いかんせん前が楽をしすぎたため③着まで。ストームキャット×ロイヤルアカデミーⅡとスピード寄りの相似クロスを持っており、もう少し流れる展開なら結果も違ったか。

 2番人気のシャイニングソードは⑪着。デビューから10戦目にして初めて馬券圏を外したが、スタートで遅れて最後方から。この前残りの流れでは厳しすぎたため今回は参考外としていいだろう。ただ、気になる点があるなら全姉ソウルスターリングの戦績か。姉はデビューから6戦5勝③着1回でGⅠ2勝を挙げたが、休み明けの毎日王冠で⑧着と敗れて以降は不振に。シャイニングももし次戦で結果が出ないようなら、そのままピークアウトしていく可能性も考えておきたい。

前残り馬場で、より勝ち馬の決め手が光った京成杯

 中山も京都と同じく前有利、内有利の馬場。それだけに京成杯は中団から差し切ったグリーンエナジーの強さが光った一戦だった。父スワーヴリチャード産駒で、母の父シングスピールと母系は欧州血統寄りの配合なのだが、リヴァーマン、ミルリーフと瞬発力勝負に強いナスルーラ系の血を多く持っている。それが今回の上がり33秒8、前走の未勝利戦で見せた上がり32秒9の決め手につながっているのだろう。ただ、父の傾向からあまり距離は延びていいタイプではない。やはり前走で強い勝ち方をみせた東京二千がベスト舞台ではないか。

 エピファネイア産駒のマテンロウゲイルが②着。先行策から早めに抜け出す勝ちパターンだったのだが、今回は勝ち馬の決め手を褒めるしかない。ただ、これで京成杯は3年連続でロベルト系が馬券絡み。今年は父が同系はマテンロウ1頭だけだったので〝冬の中山芝のロベルト系〟の中でもやはり特注のレースといえる。ただ、気になる点を挙げれば、ロベルト系は昨年が②③着で、今年も②着と勝ち切れていないこと。特にエピファ産駒は初年度産駒が見せた重賞での勝負強さが薄れてきている。とはいえ、軸で狙うならまだまだ有効な馬券作戦になりそうだ。

 ③着はソラネルマン。父はフィエールマンでディープ系でも持続力寄り。産駒は通算29勝のうち中山で11勝と群を抜いて成績がいい。暮れのホープフルS②着も同産駒のフォルテアンジェロだった。ソラネルマンは3代母がビワハイジ、祖母がブエナビスタの良血。母ソシアルクラブはキングカメハメハ産駒で、阪神で3勝を挙げたから急坂のあるコースに強い馬力型の中距離馬だ。フィエールマン産駒は春の中山クラシック戦線でも面白い存在になるかもしれない。

 今年も3週が終わったが、血統面から注目したいのがシルバーステートとルヴァンスレーヴ。芝で最も勝っているのシルバーで、ダートで最も勝っているのがルヴァンスなのだが、ともに狙い目は分かりやすく中距離戦。もともとシルバーは直線の短い中距離戦に強く、ルヴァンスも中距離型なので当然と言えば当然なのだが、今年はいいペースで勝ち上がっている。今週から小倉も始まる。小回りコース。中距離戦では、まずこの2頭の産駒からチェックしていきたい。

亀井辰之介

 競馬好きの父親の影響もあり、子供のころから競馬中継を一緒に観戦。最初は父親が馬券を当てるともらえる臨時の小遣いが目当てだったが(ただし、父は穴党だったため、あまり的中した記憶はない……)、ある日、シンボリルドルフといういかにも強そうな名前の馬が、強く勝つ姿に魅入られたのが競馬ファンになったはじまり。
 その後はテレビゲームの競馬ソフトにどっぷりハマり、今までに遊んできた競馬ゲームは数知れず。その時に競走馬の配合の奥深さを知り、血統に興味を持ったのが今の予想スタイルの根幹か。現在でもたまにゲームをたしなみ、好きだった競走馬の産駒を活躍させることが小さな喜び。
 予想スタイルはもちろん“血統”。各馬の血統を分析。得手、不得手を見極め得意条件に出走する時に狙い撃ち! 好配当を目指します。

著者詳細、記事一覧へ

最新記事一覧

  • アクセスランキング
  • 週間