【府中牝馬S】セキトバイースト正攻法で重賞初制覇
公開日:2025年6月23日 14:00 更新日:2025年6月23日 14:00
今後は距離の幅を広げられるかが鍵
東京で行われたGⅢ府中牝馬Sは、こちらも4歳馬セキトバイーストがうれしい重賞初制覇を飾った。
逃げ馬が1F11秒台後半のラップを刻む、よどみのない流れ。オッズは5番人気の伏兵扱いだったが、レースでは[6][2][3]の横綱相撲で府中の長い直線をしのぎ切った。それも、ハンデ55・5キロを背負い、直線は強い向かい風が吹く厳しい中でも、持ち前のしぶとさを存分に発揮した。
同じワンターン千八でも京都の下り坂を利用してスパートした前走とは一転、東京の坂に真っ向から挑み、正攻法で勝つ強い内容である。
舞台替わりも何のその。着実に力をつけてきているのを印象付ける勝ち方だ。3歳時はGⅡチューリップ賞②着、GⅡローズS③着と重賞で好走していたように走る下地はあった。ただ、ローズSはやや掛かり気味の大逃げでの粘り込みと、少し難しさも抱えていた。
それが、明け4歳から一貫して千八を使い、3勝クラスから①⑫⑩①①着と、経験を重ねて今回の完勝につなげたのだ。
また、昨年までならこの時期の牝馬重賞は阪神二千メートルのGⅢマーメイドS。それが、今年から府中牝馬Sの名称とともに東京千八に変更。馬の成長とともに、いいタイミングで適距離の重賞があったのも確かだろう。
「強かったね。賞金はしっかり加算できたから、このあとは秋に向けてゆっくり休みを」とは四位師だ。
秋となると今回と同じ舞台、同じ距離であるGⅡアイルランドTからの始動が考えられる。さらにその先も視野に入ってくるとGⅠエリザベス女王杯か。となると、二千二百メートルという未開の距離に挑むことになる。
また翌春の古馬牝馬GⅠはヴィクトリアMで千六。いずれにしても、ステップアップするためには、距離の幅を広げていくことが課題のひとつとなってくるか。