データ室・武田記者のラップと馬場差を徹底分析する

秋に期待が持てる内容は

公開日:2025年5月27日 14:00 更新日:2025年5月30日 11:00

 このところ、週末になると必ずやってくる雨予報。ただ、意外に降雨量が多いこともあれば、その逆もしかり。木曜、金曜の段階で予想をしなければならない身として、こういう時は非常にイヤなものだ。

 勝ち時計の予想がつかないし、特に芝ではトラックバイアスが大きくなることもある。先々週はBコース1週目ながらもかなり内が傷み、すでにジョッキーが避けて通るようになっていたのは、このコラムで指摘した通りである。

 ただ、幸いだったのは先々週以上に馬場が悪化することはなかった点。ダービーを前にして、あまりにも芝が傷むのは悲しいからだ。

 オークス(写真)はカムニャックが制して二千四百メートル2分25秒7。大方の予想通りに大外枠のエリカエクスプレスが逃げて、前半3Fは34秒8、5F通過は60秒0。稍重から良に回復した芝ではソコソコ流れているが、そこから12秒7―12秒9―12秒9と大きくペースダウン。速かったのは前半3Fだけで、イメージとしては平均からスローに近い流れだ。

 この流れで掛かったのがエンブロイダリー。やはり流れる血はマイル向きだったということか。最後は完全に脚をなくして⑨着だった。

 勝ったカムニャックは馬場の外めを伸びて、4角11番手から差し切り。大ベテラン・シュタルケの落ち着いた騎乗が光った。一方、◎リンクスティップのM・デムーロは18頭中、唯一、早めに動いている。前走の桜花賞とは違い、最後に脚が残らなかったのは残念だ。

 芝で好記録は同じ3歳牝馬でも1勝クラス、土曜9RのカーネーションCだ。

 オークスを抽選で除外になったエストゥペンダが圧倒的1番人気だったが、ジョスランが1分45秒4の好時計で勝利。秋に希望をつなぐ2勝目を挙げた。

 1F目を除くと、最も遅いラップが12秒1で、ラストは11秒2―11秒3のハイラップを差し切った脚は見どころ十分。エフフォーリアの妹で、血統的にも期待できる。

 また、この日曜で目についたのはダートの高速化。雨で脚抜きのいい馬場になったから、それも当然だが、その中でも好記録と思えるのが2鞍。

 日曜3R3歳未勝利の千三は1分16秒8でレコードに0秒7差だが、未勝利クラスの過去最速は1分17秒2で、これを大きく更新した。

 2戦目で勝ち上がった関西馬アメリカンビヨンドはまだまだ上積みもあるだろう。

 12R丹沢Sを制したカズタンジャーは二千百メートル2分7秒2で、ヴァーミリアンのレコードに0秒5差。条件戦では史上最速の数字だ。勝ち馬は一頭だけ次元の違う脚で上がり34秒9。ラスト11秒5は圧巻だった。

 未勝利勝ち上がりに10戦を要したが、そこから7戦でオープンへ。これからが楽しみな一頭だ。

武田昌已

月~金は麻雀、土日はウインズだった学生生活を経て、入社後は編集一筋25年超。2015年春は何と9週連続重賞的中の快記録も達成し、2016年は春東京でGⅠ4連勝も。馬場の傾向、ラップの分析に定評がある。毎週、目黒貴子さんとその週の重賞解説の動画も公開中。

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