先週の結果がいい例 牝馬限定GⅠで強いのは

公開日:2025年5月22日 14:00 更新日:2025年5月22日 14:00

武豊の記録を塗り替えたルメール

 今週のオークスは先週のヴィクトリアマイルと同じ「牝馬限定のGⅠ」だ。荒れやすいイメージが強いものの、牡馬との混合戦よりも傾向がはっきりしているところもある。現在JRAで行われている牝馬限定のGⅠは2歳の阪神ジュベナイルF、3歳の3冠レースに、古馬のヴィクトリアマイル、エ女王杯の6鞍。今回は2000年以降のデータに絞り、その傾向を見てみる。

 先週のヴィクトリアマイルでアスコリピチェーノに騎乗したルメールが勝利。これで牝馬限定GⅠは18勝目となり、武豊を抜いて単独トップに立った。

 意外にもレジェンドは牝馬限定GⅠの勝利は少ないことが分かるが、近年は特に縁がなく、実は09年ウオッカのヴィクトリアマイル勝ちから75連敗中。この間、②着は7回あるが……。

 一方で大得意としているのがルメールだ。

 JRAに転籍する前、リトルアマポーラで08年のエ女王杯勝ち。15年にJRA所属となってから同年阪神ジュベナイルF=メジャーエンブレム、16年阪神ジュベナイルF=ソウルスターリング、17年はヴィクトリアマイルからオークス、秋華賞と3勝、18年はアーモンドアイで牝馬3冠を達成し、19年は桜花賞=グランアレグリア、20年はヴィクトリアマイル=アーモンドアイ、エ女王杯=ラッキーライラック、21年ヴィクトリアマイル=グランアレグリア、22年オークス=スターズオンアース、23年エ女王杯=ブレイディヴェーグ、24年はチェルヴィニアでオークス、秋華賞の2冠達成と、毎年必ずGⅠを制している。

 そんな中、最も成績がいいのがオークスで〈4203〉、連対率・667だ。1、2番人気馬に騎乗した時に限れば〈3200〉だから、エンブロイダリーに逆らう手はない!?

ほぼ半数を勝っているノーザンF生産馬

 対象としたGⅠレースは147。そのうち、ほぼ半数の72レースを制しているのがノーザンファームの生産馬だ。

 2000年からの数年は年間1、2勝にとどまっていたが、近年は圧倒的な強さを誇る。

 10年にはアパパネが牝馬3冠を達成し、ヴィクトリアマイル=ブエナビスタ、阪神ジュベナイルF=レーヴディソールと5勝。エ女王杯以外はすべて制した。ちなみに、この年のエ女王杯馬は英国からの刺客スノーフェアリーである。

 そして19年には桜花賞=グランアレグリア、ヴィクトリアマイル=ノームコア、オークス=ラヴズオンリーユー、秋華賞=クロノジェネシス、エ女王杯=ラッキーライラック、阪神ジュベナイルF=レシステンシアで牝馬GⅠコンプリートを達成。23年も同じく6勝し、今年も桜花賞=エンブロイダリー、ヴィクトリアマイル=アスコリピチェーノとノーザンFの生産馬が連勝している。ガリバーに逆らうべからず、といったところか。

 今年の登録馬の中ではアルマヴェローチェ、ウィルサヴァイブ、エンブロイダリー、ゴーソーファー、タイセイプランセス、ビップデイジー、ブラウンラチェットがそう(登録があったルージュソリテールは回避)。勝ち馬はこの中にいるのだろうか。

関西馬が東軍を圧倒

 牝馬のGⅠといえば、やはりこの人が一番に思い浮かぶ。美浦の国枝師だ。

 アパパネ、アーモンドアイと3冠牝馬を2頭管理。昨年もステレンボッシュで桜花賞を制した。

 JRAのGⅠ22勝のうち、牝馬で17勝。牝馬限定GⅠは12勝といずれも断トツである。

 その一方で牡馬の3冠には縁がなく、来週のラストダービーにも管理馬を出走させることはできなかった。そして今週のオークスも……。

 関東ではすでに勇退している藤沢和雄元調教師が6勝。この2人で計18勝しているが、00年以降の東西別成績は関西102勝、関東44勝、海外馬2勝。国枝師、藤沢和師以外では関東馬は圧倒的に西軍に負けていることが分かる。

 そんな状況下でも、今年は桜花賞=エンブロイダリー、ヴィクトリアマイル=アスコリピチェーノと関東馬が連勝。流れはやや東寄りにはなってきたが、全体的には西軍圧倒の図式だ。オークスで関東馬の3連勝となるか。

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