【ジャパンC】あまりにも違う欧州と日本の競馬
公開日:2024年11月25日 14:00 更新日:2024年11月29日 11:08
この布陣、このペースでも掲示板に載れなかった外国馬3頭
ドウデュースが日本総大将として堂々と勝利を決めた中、思うような結果が出せなかったのが海外勢だった。
決してメンバーが悪かったわけではない。
今年は近年にないビッグネームで、オーギュストロダンはディープインパクト産駒の晩年最高傑作といってもいいGⅠ6勝馬。ゴリアットは“キングジョージ”を制した怪物セン馬で、ロンジンワールドベストレースホースランキングの芝部門世界3位タイなら、ファンタスティックムーンはドイツダービー馬だ。
それでも終わってみれば⑥着ゴリアットが最先着。4番人気オーギュストロダンは⑧着、ファンタスティックムーンは⑪着と、馬券になるどころか、掲示板にさえ名前を連ねることはなかった。
これは結局、欧州と日本の競馬があまりにも違うということだろう。
今年は逃げ馬不在で前半3Fは37秒1。5F通過は62秒2とスローに推移した。一見すると、前半はゆっくり行くことが常の欧州の競馬スタイルと酷似しているようには思えるが、62秒2でも欧州勢にとっては流れた部類のラップだったと言える。経験値の少ない流れに、目に見えない戸惑いがあったのではないか。
さらにこの流れでは日本だと究極の上がりを求められるのは必須。実際、レースのラスト3Fは11秒5―10秒8―11秒1。10秒台の上がりになるレースなど欧州ではほぼない。それにいきなり対応するというのは酷な話でもあった。
凱旋門賞は日本馬にとっては“異種格闘技戦”で、日本とは別物ともよくいわれる。それは逆に今回、遠征してきた海外勢にも言えたことで、それは“お互いさま”か。
欧州馬にとっての日本遠征、日本勢にとっての欧州遠征。どちらも超えるべきハードルが高いことには間違いない。