今年で60回目 札幌記念の歴史
公開日:2024年8月15日 14:00 更新日:2024年8月15日 14:00
第1回は左回りの〝砂〟
今週、最も注目されるレースであるGⅡ札幌記念。実はこれまで何度も姿、形を変えてきた歴史がある。
もちろん、そんな重賞は決して少なくはない。だが、札幌記念の場合、二千メートルというのは全く変わっていない(ただ、1回だけ例外あり)が、競馬場そのものが大きく変化を遂げてきた。
レース創設は1965年。今年で60回目になるが、第1回から第4回は砂二千メートルで施行されている。そう、ダートではなく〝砂〟。今でも日本のダートはアメリカや中東とは異なり砂のイメージだが、この頃は今のダートとも異なった砂が使用されていた。
ダートになったのは69年から。そしてエリモマーチスが勝った74年まで〝左回りダート二千メートル〟のレースだった。
現在のような右回りになったのは75年から。この頃は今とは違い、グレード制導入前だが、まだフェブラリーS、チャンピオンズCの前身であるジャパンCダートもない頃。地方との交流も微々たるものだったから、非常に貴重なダートの大レースだった。
そして89年はダート千七で施行。これは札幌競馬場に芝コースを創設するため、従来のダートを芝コースにし、その内側にあった調教などで使うコースを今のダートに。その関係で、1年だけ千七で行われた。勝ったのはダイナレターである。
そしてかなり今の形に近づいたのが90年。芝二千メートルで行われた最初の年になるが、当時はまだGⅢのハンデ戦だった。
そして97年に負担重量が別定に変更。GⅠ馬でも出走しやすくなり、いきなり、2頭のGⅠ馬が参戦した。前年のオークス馬エアグルーヴ、前年のマイルCSに2年前の皐月賞を制していたジェニュインの対決である。
勝ったのは1番人気エアグルーヴで、次走の天皇賞・秋も連勝。この頃から札幌記念→天皇賞・秋というローテーションが確立された。
ちなみに、②着はエリモシック。この2走後にエリザベス女王杯を制してGⅠ馬となっている。
そして負担重量が定量と、さらにGⅠ馬が参戦しやすくなったのは06年のこと。ここ5年の勝ち馬を見てもブラストワンピース、ノームコア、ソダシ、ジャックドールはGⅠ馬か、もしくはのちのGⅠ勝ち馬。昨年のプログノーシスは手が届いていないが、香港で②着が2回ある。
今年もGⅠウイナーが3頭参戦する。ダービー馬シャフリヤールは昨年(⑪着)に続いての出走。札幌記念における初のダービー馬の勝利となるか。また、「サンデーレーシング」は皐月賞馬ジオグリフとの2頭出しだが、「サンデーレーシング」の勝利もない。
もう1頭はホープフルS馬のドゥラエレーデ。〝二刀流〟馬の久々になる芝への挑戦はどうなるか――。また、札幌記念に新しい歴史が刻まれるかもしれない。