新潟競馬いきなり芝千八、千四でレコード連発 これは芝が速いのか、それとも2歳のレベルが高いのか
公開日:2024年8月1日 14:00 更新日:2024年8月1日 14:00
今年の夏新潟競馬はいきなりからレコードが飛び出した。
ルメールを背にしたエンブロイダリーが逃げ切り。時計は芝千八1分45秒5で、昨年、カンティアーモがマークした1分46秒4を0秒9も塗り替えてみせた。
この日はメインの関越Sもクルゼイロドスルが千八1分44秒0でレコードを塗り替え、翌日曜には1R・2歳未勝利の芝千四でアーリントンロウが1分20秒6のレコード勝ち。新潟では早くも計3つのレコードが出た。
となると、こういう話が出てくるのは当然だろう。「今年の新潟は時計が出やすい」――。
もちろん、これは間違っていない。
ただ、新潟は時計が出やすくもあり、出にくくもある。特に外回りは各ジョッキーが直線の長さを意識し、スローになりがち。前半が流れないとなかなか全体時計は速くはならない。これら3鞍の時計は前半が流れたため、全体的に速くなったし、今年の新潟の芝が絶好なのは確かだ。
だが、芝千八、千四と2歳戦でレコードが2つ出たのは、こういう推察もできる。「今年の2歳はレベルが高い」と。
今年、この新潟2つのほか、その1週前に開幕した札幌でも、芝千八でレコードが出た。新馬戦を制したキングスコールの時計は1分47秒8。ちなみに、従来のレコードホルダーはソダシで、時計は1分48秒2。20年の札幌2歳Sでのものだ。これを塗り替えたことにはかなり価値がある。
実は今年の2歳戦ではレコードがもうひとつ。
7月13日、小倉のダート千メートルでアメリカンビキニが57秒2で逃げ切り。こちらは従来のレコードを0秒5も塗り替えた。この距離での0秒5は相当に速いと言える。実際、古馬でも56秒8なのだ。
つまり、すでに今年の2歳世代はレコードが4つということになる。
では、昨夏の2歳戦はどうだったかというと、レコードは前記したカンティアーモのみ。一昨年はあのヤマニンウルスが②着に4秒3もの大差をつけた小倉千七の新馬戦と、新潟ダート千二で出ただけ。今年の2歳はかなり優秀かもしれない。
というのも、以前よりレコードは出にくくなっているからだ。アメリカンビキニは▲吉村騎乗で52キロだったが、他の3頭は55キロでのもの。
昨年から負担重量が1キロ重くなっており、22年まで、この時季の2歳馬の馬齢重量は牡牝とも54キロだった。わずか1キロで1、2馬身の差が出るのが競馬。それを思えばかなり凄いと言える。
新潟の芝が速いのは理由のひとつだが、現2歳世代は例年よりレベルが高いのかもしれない。