【日本ダービー】シンエンペラー外国産馬初の勝利となるか

公開日:2024年5月23日 14:00 更新日:2024年5月23日 14:00

凱旋門賞馬の全弟

 今年のダービー出走馬18頭の中には異色の存在が2頭いる。

 1頭はレガレイラ。牝馬の勝利は過去に1937年ヒサトモ、1943年クリフジ、そして20007年のウオッカの3頭だけしかいない。

 というより、そもそも牝馬のダービー出走自体が珍しいこと。グレード制導入以降ではウオッカを入れて4頭のみで、96年ビワハイジが⑬着、14年レッドリヴェールが⑫着、21年サトノレイナスは⑤着だった。

 この4頭はいずれも前走が桜花賞。ビワハイジは⑮着だったが、ウオッカ以降の3頭は②着からのダービー挑戦だった。

 レガレイラは新馬、アイビーS、ホープフルS、皐月賞と、これまでの4戦すべてが牡馬との混合戦という、これまでにないキャリアの持ち主である。

 そしてもう1頭が皐月賞⑤着馬シンエンペラーだ。こちらは外国産馬。(外)での勝利となれば、史上初となる。

 かつてはNHKマイルCが“マル外ダービー”とも言われたように、ダービーには外国産馬が出走できなかった。これはクラシックが内国産馬の資質向上を目的として創設されたためで、門戸が開かれたのは2001年のこと。今では(外)だけでなく、外国馬も出走できるが、こちらはさすがにまだ出走例がない。

 初めて挑戦したのはその01年にNHKマイルC勝ちからの転戦だったクロフネと、青葉賞を制したルゼルだ。本番でもクロフネは2番人気、ルゼルは4番人気に支持されたが、⑤⑭着に敗れた。

 翌02年はルゼルと同じく青葉賞勝ちのシンボリクリスエスが出走。3番人気で、タニノギムレットの②着だった。この②着が(外)の最良着順で、以降は13年のアポロソニックが青葉賞②着から、本番でも③着に善戦したくらい。5番人気以内だったのも、20年の共同通信杯馬ダーリントンホール(⑬着)しかいない。

 だが、シンエンペラーは過去に挑戦した外国産馬よりも凄い“看板”を持っている。それは凱旋門賞馬ソットサスの全弟という血統的バックボーンだ。22年のアルカナオーガストイヤリングセールで210万ユーロで落札された馬。およそ3億円近い値段である。

 日本の、特に府中の高速ターフとなるとバリバリの欧州血統という“重さ”は気になるものの、血統の良さはこれまでの外国産馬の中でも一番ではないか。

 ケンタッキーダービーにフォーエバーヤングで挑んで③着と涙をのんだ矢作師、坂井、藤田晋オーナーのトリオ。果たして日本ダービーはどういう結果となるだろうか。

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