【フローラS】アドマイヤベルはオークスでも楽しみ
公開日:2024年4月22日 14:00 更新日:2024年4月22日 14:00
スワーヴリチャード産駒の重賞勝ちはすべて牝馬
愛馬の頭をポンと右手で称え、横山武はうれしさを爆発させるガッツポーズ――。
日曜東京で行われたGⅡフローラSは2番人気アドマイヤベルが勝利した。道中、6番手から直線は鋭い切れ味で前をかわし、後続に1馬身差をつける完勝。勝ち時計1分59秒0はこのレース歴代3位の好記録だった。
鞍上はこれが今年41勝目。近年同様、順調に勝ち星を積み重ね、重賞勝ちもこれで3勝目。4年前にウインマリリンで重賞初勝利を飾った思い出のレースで、来週からの5週連続の東京GⅠに弾みをつけたか。
ただ、フローラS①着から樫の女王に輝いた馬は2010年にアパパネと同着Vのサンテミリオンから遠ざかっている。近10年では16年チェッキーノ、17年モズカッチャン、20年ウインマリリンが本番で②着と涙をのんだ。
ここから中3週で距離が2Fも延長。3歳牝馬にとっては、決して楽な条件、ローテーションではない。特に近年は馬場の高速化、競走馬レベルの向上などで一戦一戦の消耗度が大きく、間隔をあけつつ臨む、直行組が幅を利かせている。
とはいえ、このアドマイヤベルはこれがデビュー4戦目。今回に至っては2月の1勝クラス②着からの2カ月ぶりの実戦だっただけに、次が今年3戦目でまだまだ上積みが見込めそう。また、父スワーヴリチャードの活躍も見逃せない。3歳世代だけで22頭が勝ち上がり、半分の11頭が2勝以上と成長力もある。重賞勝ちはGⅠ馬レガレイラを筆頭に、牝馬ばかりの4頭目となった。
桜花賞組のステレンボッシュ、ライトバック、スウィープフィート、クイーンズウォークなどハイレベルだった本流組にどこまで肉迫できるか。逆転の目も含めて、今年のオークスががぜん面白くなった。そんなトライアルだった。