【エルムS】セキフウ差し切り テン乗りでも冴えた天才の〝読み〟
公開日:2023年8月7日 14:00 更新日:2023年8月7日 14:00
武豊の勝利は26年ぶり
札幌で行われたダート重賞のエルムSを制したのはセキフウ。後方追走から、一気の差し切りで2歳時の交流重賞、兵庫ジュニアグランプリ以来の重賞制覇を決めた。
人気を集めたのは大沼S→マリーンSと北海道千七ダートで2連勝中のペプチドナイル。さらにアハルテケSで4馬身差の逃げ切りを決めたタイセイサムソン、芝重賞4勝で初ダートとなるオーソリティ。条件戦を圧勝してきたワールドタキオンが続き、セキフウは6番人気。この伏兵を完璧にエスコートしたのが初騎乗の武豊だ。
「前が速くなりそうなメンバーだったので、マイペースで」と話したように、レースはタイセイがハナを主張し、ワールドがインの2番手。その後ろにペプチド、オーソリティと人気馬がこぞって前に行く展開に。セキフウはここでもあわてず後方2番手を追走すると、勝負どころから徐々にポジションをアップした。
直線は「もまれ弱いのかなと思っていたので、最後は外に出すことが大きなテーマ」の言葉通りに、外に出すと一気に加速。上がり3F35秒5とメンバー唯一となる35秒台の末脚で人気馬をなで切ってみせた。
武豊のエルムS制覇は第2回のバトルライン以来、実に26年ぶり。久々の札幌千七ダート重賞制覇は天才の“読み”が冴えに冴えた一戦でもあったか。
さて、次走だが「ワンターンだとやめるようなところがある。コーナー4つの方が集中して走れる」とは武幸師。適舞台を求めて9月に韓国で行われるGⅢコリアC(ダート千八)も視野に入れているもよう。
コリアCは昨年から重賞に格上げされており、賞金もアップ。もし、遠征してこのままコンビ継続なら、秋には武兄弟コンビによる海外重賞制覇が見られるかも……。