【宝塚記念】イクイノックスまた決める

公開日:2023年6月20日 14:00 更新日:2023年6月20日 14:00

圧巻の走りで世界第1位

“天才”イクイノックスが4冠奪取に挑戦する。

 3歳の昨秋から天皇賞・秋、有馬記念を制して年度代表馬に上り詰めると、海外初挑戦となった4歳初戦のドバイシーマクラシックでもV。GⅠ3連勝を飾り、勢いはとどまらない。

 ドバイでの前走は圧巻の走りを見せた。課題のスタートを決めると、スッとハナを奪う。

「逃げ馬がいなかったので、遅いペースは嫌でした。だから、逃げることを判断しました。マイペースで走り、最後まで伸びることができました」とルメールは振り返る。

 勝ち時計は従来のレコードを1秒も更新。しかも、後続馬と馬体を併せることなく、ノーステッキで3馬身半差をつける快走劇に、国際レーティングは129ポンドがついた。

 この数字は2位に4ポンドも差をつけて、現時点での今年の世界第1位。日本調教馬がトップに立つのは史上3頭目の快挙である。

 イクイノックスはわずか6戦で日本一となり、キャリア7戦目で世界の頂点へ。一足飛びに駆け上がってきた規格外の能力は、まさに天賦の才。着実に歴史的名馬への道を歩んでいる。

 その後は凱旋門賞には登録せず、まずはこの宝塚記念に向けて調整されてきた。5月26日に美浦に帰厩すると、坂路閉鎖に伴い、6月4日に栗東入りしている。

 1週前はCウッド7F95秒3、5F65秒0―36秒8の好時計を楽々とマーク。最後の2Fは馬なりながら11秒8―11秒6を抜群の手応えで駆け抜けて併走馬に首先着した。

「いつもの(仕上げの)枠の中にだんだんと収まって(調教を)やれているのはポジティブなところです」とは木村師。

 栗東で環境が変わった当初は戸惑いも見せたが、適応してからは“さすが”の動きで順調ぶりをアピールしている。

 ファン投票も堂々の第1位。人気も実力も兼ね備えた希代の名馬はここも通過点。勲章をさらに上積みさせる。

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