【日本ダービー】注目キタサンブラック産駒2騎を負かすならドゥラメンテ産駒

公開日:2023年5月25日 14:00 更新日:2023年5月25日 14:00

現役時代は同期で3戦負けなし

 今年のダービーで注目を集めるのは3戦無敗で皐月賞を制したソールオリエンス、さらにゆりかもめ賞→青葉賞と東京二千四百メートルで連勝中のスキルヴィングとキタサンブラック産駒の2騎か。

 ただし、キタサンブラック自身は15年のダービーで6番人気ながら⑭着と惨敗。現役時代にキタサンが2ケタ着順に沈んだのは後にも先にもこの1回だけ。産駒もダービーでは昨年のイクイノックスが首差②着に敗れ、先週のオークスでも④⑥⑦着だった。
“ダービー馬はダービー馬から”の格言もあるように、ここは「父ダービー馬」に注目してみたい。

 実際、前10年では05年のダービー馬ディープインパクトの産駒が6勝と圧倒的に強く、続いて04年ダービー馬キングカメハメハの産駒が2勝。そう、ダービー馬の子どもが8勝も挙げている。

 ただし、今年はラストクロップとなるディープ産駒が不在ならキンカメもいない。その中、メンバーの父の中で唯一のダービー馬がドゥラメンテだ。

 ドゥラメンテ自身は15年の勝ち馬で、父も前記のキングカメハメハ。さらに祖母がオークス馬のエアグルーヴだから、まさにこの舞台で勝つために生まれてきたかのような配合だ。

 しかもキタサンブラックとは同期の間柄。ダービーだけでなく、皐月賞でもドゥラメンテが①着でキタサンは③着。古馬になってからの宝塚記念でもドゥラメンテが②着でキタサンは③着(勝ち馬はマリアライト)と、現役時代は3戦して一度もライバルには先着を許していない。

 ちなみに先週のオークスを圧勝したリバティアイランド、③着ドゥーラがドゥラメンテ産駒だから、ここでもキタサン産駒に完勝している。

 昨年のオークス馬もスターズオンアースで、2年連続で同舞台でのGⅠホースを出している。やはり舞台適性はナンバーワン。今年もダービーを勝つのはダービー馬の血か。祖父→父→子の3代ダービー制覇も夢ではない。

シーズンリッチ一発ある

 ダービーと非常に相性がいいレースといえば毎日杯だ。

 勝ち馬から、古くは04年キングカメハメハ、08年ディープスカイ、13年キズナがV。最近では21年シャフリヤールが直行でダービー馬になった。

 今年の勝ち馬はドゥラメンテ産駒のシーズンリッチ。好位から直線は前が詰まりながら狭いスペースをしぶとく伸びて、重賞初制覇を決めた。

「ゲートを出した後で収まって、上手にレースができていましたね。馬自身、成長してレースを学んでくれています」(池内助手)

 その後はダービー直行を選択して、いったん放牧へ。帰厩後は順調に調整が進められている。

 1週前に続き、きのうの最終追い切りも戸崎が騎乗。古馬オープン相手に馬なりで追い掛け併入して、力強い動きで5F66秒6―36秒7、1F11秒7をマークした。

「凄くバランスが良くなってますね。昔は伸びて走って重心が低い感じだったんですが、いい感じで走れてました」

 2歳時以来でレースに乗る鞍上も、確かな成長を感じ取っていたから頼もしい。

 また、初めての二千四百メートルに関しては「乗りやすい馬なのでこなせると思います」だし、血統的にも不安はない。

 関連性の高いレースの勝ち馬ながら、ここも人気薄は必至。一発を警戒しておきたい。

意外性を見せてきたGⅠ馬ドゥラエレーデ

 異例のローテーションで挑むのが、西のドゥラエレーデだ。

 昨夏の札幌ダート戦で勝ち上がると、芝に戻した東スポ杯2歳Sで④着に好走。さらに暮れのホープフルSでは、14番人気の下馬評を覆す大激走を見せてGⅠタイトルを奪取と、意外性のある走りを見せてきた。

 その後、陣営は春の目標を米GⅠケンタッキーダービーに定め、今年初戦はUAEダービーをチョイス。初の海外遠征でも動じず②着に奮闘し、ダートでも一線級であることを証明してみせた。

 レース後に左前の球節に疲れが出たためアメリカ遠征を断念し、目標をダービーに切り替えた経緯があるが、心配は無用。

「着地検疫の間に熱感や腫れは治まり、疲れもすぐ取れた。間隔的にも十分、時間があるので、ならばダービーに行こうと。帰厩当初は脚元の様子を見ながらプールを併用。問題がなかったので徐々にペースを上げてきました」(池添学師)

 トレーナーの言葉通り2週前にCウッドで6F83秒0をマークすると、1週前には81秒3の自己ベストをたたき出した。

 圧巻だったのが最終追い。坂路単走で4F54秒5と時計は控えめでも、ラスト1Fは驚異の11秒6! 持ったままで水曜の一番時計をマークするのだから大したもの。

「追い切りを重ねても体は減らず、むしろ張りが出てきた。UAEダービーよりも明らかに状態は上がってます」

 海外遠征で心身ともに成長。これまで意外性を見せてきただけに、大一番でも期待が持てる。

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