【皐月賞】ソールオリエンスはダービーで〝1強〟となるのか
公開日:2023年4月17日 14:00 更新日:2023年4月17日 14:00
圧巻の末脚で外からひとのみ
まさに“一刀両断”。圧巻のパフォーマンスを見せた。
皐月賞は2番人気ソールオリエンスが直線一気を決めて、クラシック1冠目を制した。
重馬場発表でも、前日のみならず当日も直前に雨が降る非常に難解な馬場状態。レースも逃げたグラニットが前半5F58秒5で引っ張る速い流れとなった。
1番枠だったソールオリエンスは後方からとなり、結果的に先行馬総崩れと展開が向いた面はある。だが、それ以上に勝負どころからの走りが次元を超えるものだった。
3角で15番手。馬体の緩さがあり、コーナーで思うように動けず4角では前走と同様に逆手前になって外に膨らんでしまう。直線に入った時点で17番手に下がっていた。しかし、そこからエンジンが点火すると、前が止まって見えるほどゴボウ抜きしていく。
ラスト1F地点でも先頭の②着タスティエーラとは5馬身ほどの決定的な差がありながら、難なく差し切ってしまった。自身が繰り出した上がり3F35秒5は他馬より0秒9以上も速く、最後1Fも推定11秒0前後の脚を使うのだから、怪物と言っても過言ではないだろう。
皐月賞史上、最速となるキャリア3戦目での勝利。それも、随所に幼さを見せながら。そのスケールの大きさには驚かされる。
4月4日の遅生まれでもあり、これからの成長度合いも加味すれば、同じキタサンブラック産駒の年度代表馬イクイノックスにも匹敵する底知れぬモノを感じる。
ダービーまでは中5週となる。道悪で走ったダメージは少なからずあるが、今回は休み明け。使った上積みの方が大きいだろう。そして、何よりもコーナーでの加速を求められる中山の皐月賞より、明らかに直線が長い東京の方が競馬はしやすい。それは陣営も認めるところだ。
混戦ムードだった皐月賞から“1強”のダービーへ。そう思わせるには十分なパフォーマンスだった。