【桜花賞】早くも名牝の道を歩き始めたリバティアイランド

公開日:2023年4月10日 14:00 更新日:2023年4月10日 14:00

 衝撃的な勝ち方だ。2歳GⅠに続き、きのうの桜花賞を制したリバティアイランドである。

“あっ、断トツ人気が飛んだ!?”

 レースを見て、そう感じた方も多かったはず。「ゲートが開いてから本人は進む気がなく」(川田騎手)、向こう流しは後方から数えて3番手。3番枠もあって、イン待機は周りに合わせるほかない競馬となり、動けないまま、ほぼ最後方で直線へと進んでいる。

 反して馬場は、今週からBコースへと替わり、雨も乾いて先行有利のコンディション。“外差しの決まらない”傾向で大外一気を決めたから、とんでもない勝ち方だ。

 実際、自身の上がり3Fはレースを1秒6も上回る32秒9を記録した。各馬の上がりタイムが計測されるようになった1994年以降の桜花賞馬では、2014年ハープスターと並び最速タイ。能力が一枚上とされた2歳時より、春を迎えて二枚、三枚も他馬との開きが出た印象すらある。

 メジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイ、デアリングタクトに続く7頭目の3冠牝馬へ――。

「次のオークスを見据えてつくった中で」「この経験はオークスに生きてくる」(川田)勝利だから、すでに2冠目の樫は当確ランプがついたか。

オークスはタダもらいでも難関は秋華賞

 となると、やはり最大の難所は3冠目の秋華賞か。3年ぶりに京都で行われ、内回りコースが舞台。328・4メートルの直線で、476・3メートルの1冠目、525・9メートルのオークスから舞台設定がガラリと変わってくる。今回の競馬では届かない危険性も。

 振り返れば、あのブエナビスタ(09年)も③着(2位入線からの降着)と負けた。外回り二千四百メートルのエリザベス女王杯時代も、76年テイタニヤ(④着)、87年マックスビューティ(②着)、93年ベガ(③着)と「10分の4」で3冠の座に届かなかった名馬はいた。リバティも夏をどう過ごして、どんな形で秋を迎えるのか。半年も先にある3冠目の心配をするほど、きのうのリバティアイランドは強かった。

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