東西重賞の注目はハーツ産駒

公開日:2023年2月9日 14:00 更新日:2023年2月9日 14:35

大きな特徴は冬型

 日曜の2重賞はともにハーツクライ産駒が中心となる。

 京都記念はもちろん、昨年のダービー馬ドウデュース。共同通信杯は東スポ杯の②着馬ダノンザタイガーだ。

 ハーツクライといえば誰しも抱くイメージは、「晩成型」であり、「長距離型」。実際にそういう傾向があり、平地重賞勝ちの数は2歳=12、3歳=20、4歳=14、5歳=25、6歳=3、7歳上=3。競走馬が一般的にピークを迎える4歳時が意外と少なく、5歳時が最も多くなっている。

 距離はもっと極端で、千二、千四はわずか1勝ずつ。一方、三千メートル以上では6勝。短距離をこなす馬は非常にまれといえる。

 今回はこのほかに、もうひとつ大きな特徴があるという話。実はハーツクライは「冬型」で、これまでの重賞勝ちは2月が最も多いのだ。

 月別の成績はこのようになっている。

   ① ② ③ 外  連対率
 1月7 5 7 67 ・140
 2月12 7 4 60 ・229
 3月10 18 8 86 ・230
 4月5 8 5 94 ・116
 5月3 11 8 95 ・120
 6月3 4 4 52 ・111
 7月2 4 3 35 ・136
 8月5 4 3 45 ・158
 9月5 5 7 71 ・114
 10月7 10 7 76 ・170
 11月11 12 10 86 ・193
 12月7 6 9 76 ・133

 夏場は得意の長距離戦が組まれていないこともあるが、それにしても少ない印象。

 これがライバルのディープインパクト産駒になると、10月、3月、4月の順となり、連対率もそう大きな振り幅はない。

 だが、ハーツクライは2、3月は好調モード。肝心な時季になるとやや落ち込んでしまうのだ。

 となれば、ドウデュース、ダノンザタイガーともにここは好発進を決めるか。

 さらに個別に見ていくと、どちらも買い材料と不安材料がある。

 ドウデュースは鞍上の武豊だ。ハーツ産駒での重賞7勝は、9勝のルメールに次いで2位。かつてはリスグラシューでアルテミスS、東京新聞杯を制している。

 その一方で、ハーツ産駒は京都記念で〈0008〉と不振。12年は2番人気ウインバリアシオンが⑥着、13年はジャスタウェイが1番人気で⑤着に終わっている。

 一方、ダノンザタイガーが出走する共同通信杯は過去にハーツ産駒が2勝(17年スワーヴリチャード、22年ダノンベルーガ)。だが、川田はこれまで〈03416〉とハーツ産駒での重賞勝ちがないのが不思議。昨年のダービーではダノンベルーガが1番人気に推されながら④着だった。

 さて、人気2頭の今年初戦はどうなるだろうか……。

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