馬だけでなく、四位厩舎も機が熟した

すでにオープン特別は制している（昨年の太秦Ｓ）（Ｃ）日刊ゲンダイ

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　ハギノアレグリアスが初重賞取りに挑む。

　デビュー時から素材の良さには定評があった。当時は松田国厩舎。クロフネ、ブロードアピールにベルシャザール。ダートの活躍馬も多い厩舎の中でも高く評価されていた一頭で、３歳春で一気に頭角を現してきた。

　初ダートはデビュー２戦目の３歳５月。あっさりと初勝利を挙げ、７月阪神の１勝クラスから一気に３連勝してアッという間のオープン入り。

　だが、好事魔多し。道のりは順調ではなかった。

　待望の重賞チャレンジ目前で屈腱炎を発症。１年８カ月の休養を余儀なくされ、その間に、松田国厩舎が定年解散。四位厩舎へと籍が移った。

「素質は感じるけど、やはり、脚元と相談しつつ。無事に使うことが一番大事だからね」と四位師。まずは、負担の少ないワンターンから。それが３走前のアハルテケＳだが、余裕残しの状態で見せ場ありの④着と好走したから力がある。

　転厩２戦目も無理をせず、夏場を休養に充て、１０月阪神の太秦Ｓへ。ここをきっちりと勝ち切ったことで、再度の重賞挑戦が見えてきた。

　それが、前走のみやこＳ。４番手で立ち回ったが、外に出せずインを突く形。４角まくりの勝ち馬サンライズホープの勢いが勝って頭差の②着だった。

「祐一君（福永騎手）は“外に出せていれば、いい勝負に”と随分悔しがっていた。でも、あらためて、力があるところを見せてくれましたよ」

“今度こそ”となる今回。中２週で挑んだ前走から、間隔をあけ、狙い澄ましてここへ。中間は併せ馬を２本。攻めて使える状態となってきた。

「将雅君（川田騎手）に感触を掴んでもらえたし、いい動き。もうひとつ上の舞台で、と思っているから頑張ってほしいね」

　馬、厩舎ともの初重賞Ｖに向けて、機は熟した。