【有馬記念】誰もが引きたい②④⑥番はどの馬に
公開日:2022年12月22日 14:00 更新日:2022年12月22日 14:00
枠順ドラフトだった2014年の結果が教える
いよいよ、きょう(22日)の夕方、有馬記念の枠順が決定する。
今年も公開抽選で、東京のフジテレビと美浦、栗東の両トレセンを結んで、枠順決定の模様は生中継される。
幸運の枠順を引くのはどの馬、陣営か。また、引きたくない枠に入れられてしまう馬は--。
有馬記念の舞台である中山二千五百メートルは最初のコーナーまでが近く、外枠を引くとかなり距離のロスを強いられる。
もう一点。通常、ゲート入りは奇数馬番から順に入り、それが終わると偶数番に。つまり、あまり待たされることのない偶数で、なおかつ内めが理想的なのだ。
どの陣営もほしい馬番は「2、4、6、8」あたり。もちろん、少しぐらい待たされても、ゲートに不安がない馬ならば「1、3、5、7」でも大丈夫。
逆にどの陣営もイヤなのは外め、なおかつ奇数の15番。偶数でも大外16番はロスが大きく、好まれない馬番だ。
14年に一度だけ、行われたのが枠順ドラフト。この時を思い出せば、関係者、ジョッキーの思惑がはっきりと分かる。
当時、ニューヨーク・ヤンキースに在籍していた田中将大投手が引いた注目の1番クジは、ここがラストランとなるジェンティルドンナだ。騎乗する戸崎が右手でこぶしを上げてガッツポーズを見せていた。
石坂調教師は「2枠4番」と淡々と答え、さらに「希望の枠になって言うことなし」と。
2番目はトゥザワールド。池江師はこちらも淡々と「3枠6番」。
結果はこの2頭での①②着。馬単は2万1190円の大穴に。3連単は1番人気ゴールドシップが③着でも、10万9590円もつけている。
では、その後はどうだったか。
ヴィルシーナが3番目で内田が「1枠2番」とコール。内からどんどんと決まっていき、1~8番の馬番は前半8人ですべて埋まってしまった。
後半の埋まった順は、10、9、11、12、14、13、15、16番。かなり待たされた挙げ句、14番になってしまったゴールドシップの岩田康、15番となったジャスタウェイの福永はただただ苦笑いするしかなかった。
この年は1~3番人気が14番ゴールドシップ、13番エピファネイア、15番ジャスタウェイとすべて外へ。結果、1番クジの4番が勝って、②着が2番クジの6番だったのは前記の通り。ゴールドシップはトゥザから鼻差の③着、ジャスタウェイはさらに首差の④着と、わずかに差し届かなかった。つまり、枠順の差が最後の明暗を分けたといえよう。
実際、14番から外はなかなか簡単には勝てないようだ。00年以降では、
① ② ③ 外 連対率
14番0 2 3 15 .100
15番0 0 1 15 .000
16番0 0 0 15 .000
ちなみに、14番で最後に勝ったのは97年のシルクジャスティス。15番になるともっと昔で、89年のイナリワン。16番にいたっては、古くはそもそも16頭立てになっていなかったとはいえ、56年の第1回(当時のレース名は中山グランプリ)から数えても③着以内に来た馬が1頭もいないのだ。
昨年、不運にもこの枠になったのがタイトルホルダー。2番手からのレースで⑤着に終わった。
ただ、内なら必ずしも良くて、外なら馬券にならないかというとそうでもない。
1~9番の“ひとケタ馬番”のみで③着以内を占めたのは11年(勝ち馬は3歳時のオルフェーヴル)が最後。結構、2ケタ馬番も馬券内に来ることが多い。
昨年の勝ち馬エフフォーリアは10番だし、20年の②③着馬サラキア、フィエールマンは14、13番だった。また、08年は13番ダイワスカーレットが逃げ切り、外から猛然と追って②着したのが14番アドマイヤモナーク。この馬は14頭立ての最低人気で、馬単は1番人気が勝っても3万3490円の大穴に。3連単は③着エアシェイディが10番人気だったこともあり、98万5580円もついている。
そう、勝つ確率こそかなり下がるものの、10~14番は②③着の穴には入れておくべき。
そして、内めなのに、いわゆる“死に目”となっているのが5番だ。競走データが電子化されている86年以降、前後の4、6、7番は各4回ずつ勝ち馬を出しているが、5番にいたってはゼロ。②着3回③着4回にとどまっている。
古くは92年にその年のJC馬トウカイテイオーが⑪着と大敗したり、87年にはサクラスターオーが故障↓競走中止。どちらも1番人気だった。
最後に勝ったのはイシノヒカルで、これは72年のこと。今からちょうど50年前である。
さすがに50年も勝ち馬が出ていないのは異常とも思えるが、いくら有利な内めでも、縁起がいい番号でないことだけは確かである。