【天皇賞】GⅠは関東馬が5勝1敗 それでも東高西低と言えない理由

公開日:2022年5月2日 17:00 更新日:2022年5月2日 17:00

 天皇賞・春を制したタイトルホルダーは美浦・栗田徹厩舎の管理馬。また、関東馬がGⅠを制した。

 今年のGⅠは関東馬が席巻している。フェブラリーS=カフェファラオ、高松宮記念=ナランフレグ、桜花賞=スターズオンアース、皐月賞=ジオグリフに次いで、これが5勝目。オジュウチョウサンの中山グランドJ勝ちも含めれば6勝だ。

 一方、関西は大阪杯=ポタジェのみ。平地だけでも東の5勝1敗という数字になり、「強い関西馬」という言葉はどこへやら……といった感じだ。

 古くは圧倒的な東高西低だった。だが、85年に栗東トレセンに坂路ができてからというもの。徐々に立場は逆転。〝西高東低〟が当たり前になってしまったのだ。

 86年はまだ東12勝、西2勝だったが、87年には東9勝、西5勝と差が詰まり、88年には東3勝、西11勝に。それでも97、98年は東が10、13勝、西が9、7勝と逆転を見せたが、2000年には関東馬がイーグルカフェ=NHKマイルCの1勝のみに終わり、西が19勝。08年にも東2勝、西20勝と東西格差はとてつもなく広がっていった。

 ところが……。

 昨年は24あるGⅠを東西とも12勝ずつとイーブンに。これは勝ち越した98年以来となる数字である。となれば、ついに東西格差はなくなったのか……。

 そうとも思えないのが平地重賞トータルの数字だ。

 関東馬は昨年、51勝。50を超えたのは87年以来のことである。だが、関西馬は78勝だった。

 今年も関東馬は17勝に対し、関西馬は32勝とほぼダブルスコア。そう、GⅠに限れば関東馬が意外な頑張りを見せているが、GⅡ、GⅢでは関東馬はわずか12勝。関西馬は31勝もしている。

 不思議にGⅠだけはよく勝つのが昨年以降の関東馬。もっと重賞を勝つ数が増えて底辺が上がってくれば本物なのだが……。

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