【サウジアラビア国際競走】サウジでも魅せた森厩舎のパイオニア精神

公開日:2020年3月2日 17:00 更新日:2020年3月2日 17:36

 ①着賞金11億円のメインレースを含め、世界のホースマンから注目を集めた29日のサウジカップデー。大きく存在をアピールしたのはサウジCに出走したクリソベリルでもゴールドドリームでもなく、武豊と森厩舎のコンビだった。

 日本時間の1日午前1時10分発走の3歳戦、6Rサンバサウジダービーカップ(ダート千六)。武豊騎乗のフルフラットが2番手から早めに抜け出し、②着馬に2馬身4分の1差の完勝。サウジ国際競走が今年から始まったとあってグレードはないものの、日本のレジェンドにまた新しい勲章が加わったといえる。

 また、果敢に遠征を決めた森厩舎の慧眼も称賛されていい。

 フルフラットは芝で⑧①⑤着のあと、昨年11月には米国のBCジュベナイルに出走して⑤着。帰国初戦となった1月の1勝クラスでも②着と勝てなかったが、今度は中東へ。ダートの初勝利が大舞台となったのだ。

 さらに続く7Rサウジアカップ(3歳以上、ダート千二)でもマテラスカイがハイペースで飛ばして、“勝ったか”のシーンたっぷりの②着。外枠からテンに脚を使った分、最後わずかに甘くなったが、大いに存在感を示してみせた。

 もちろん、これにはマテラスカイとフルフラットが同じオーナー(大野剛嗣氏)というのもあるが、最も大きいのはムチ一本でどこにでも行く武豊の行動力と、早くから世界の競馬を視野に入れていた森師のフロンティアスピリットか。

 開業2年目の94年にはフジヤマケンザンで香港国際Cへ。95年にはスキーキャプテンでケンタッキーダービーにも挑戦。98年にはシーキングザパールで仏GⅠモーリス・ド・ゲスト賞を制覇し、99、00年にはアグネスワールドで仏、英のGⅠ勝ち。

 時は経ったが、昨年にはユウチェンジをカタールへ。海外遠征のパイオニアは“健在”だった。

 メインのサウジCの2頭は、ゴールドドリームがスタートが悪く⑥着、クリソベリルは現地到着時に体が減ったのが影響したのか、行きっぷりが良くなく⑦着に敗退。それだけに、なおさら森厩舎2騎の健闘が目立つ。

 ともに次はドバイへ。またまた、見せ場以上を期待したい。

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