新たにできたサウジ→ドバイの流れ 2020年世界の競馬地図は大きく変わる!?

公開日:2020年2月13日 17:00 更新日:2020年2月13日 17:00

 近年、世界競馬における“一年の始まり”は3月最終週の土曜日に開催されるドバイミーティングだった。

 96年にナド・アルシバ競馬場で第1回のドバイワールドCが行われ、アメリカの名馬シガーが優勝。一流馬が参戦したことにより、一気にステータスを確立し、今ではドバイシーマクラシック、ドバイターフなどを含めて1日にGⅠが5競走という一大イベントに成長を遂げている。

 だが、今年からこの流れも大きく変化するか。2月29日(土)にドバイがあるUAEの隣国サウジアラビアで非常に似たイベントが開催されるからだ。

 03年に馬術広場として開場したキング・アブドゥルアズィーズ競馬場に1日に6つの国際競走を組み、メインのサウジカップ(ダート千八)は賞金総額2000万米ドルだから約22億円、①着賞金は1000万ドルで11億円。世界一の高額賞金レースが誕生した。

 他のGⅠはリヤドダートスプリント(ダ千二)、1351ターフスプリント(芝1351メートル)、サウジダービー(ダ千六)、ネオムターフ(芝二千百)、レッドシーターフハンデキャップ(芝三千)という番組構成。やはりドバイを意識しているのだろう。

 日本馬は5頭が参戦予定。リヤドダートにマテラスカイ、サウジダービーはフルフラット、ネオムターフはディアドラ、サウジCはクリソベリルとゴールドドリームだ。

 クリソベリルは6戦無敗、ゴールドもダートGⅠ5勝(交流も含む)を引っさげての参戦だが、ここには第1回ドバイWCのシガー級の大物がいる。現在9戦7勝の米国馬マキシマムセキュリティがそう。昨年のケンタッキーダービーでは1位入線→⑰着降着。暮れはシガーマイルを楽勝し、ここに目標を定めた。

 というのも、地元アメリカのペガサスワールドCが今年から賞金を大幅に減額。17年に総賞金1200万ドルだったのが今年は300万ドルに。①着賞金は166万2000ドルである。これでは遠征を考えるのは当然の成り行きといえよう。結果次第では、次走はドバイになる可能性も大きい。

 この2つが“セット”になれば、世界の一流馬はどんどん賞金の高い中東を目指す流れになる。秋ではなく、体調のピークを2、3月に――。ここから世界の競馬地図は大きく変わることになる。

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