【ジャパンC】マイルCSはダサいからの過怠金!? GⅠ82勝〝静かな握り拳〟でお馴染みの名手のガッツポーズ論

公開日:2024年11月20日 14:00 更新日:2024年11月22日 11:06

団野はマイルCSを勝って過怠金5万円の制裁に

 大舞台で勝って喜びを爆発させる。

 勝敗を左右するスポーツでのガッツポーズは至って普通に見られる光景だ。心身の限界の末の感情表現だからだ。ただし、競馬に関しては入線前に限り、ルールがある。

 先週のマイルCSをソウルラッシュで制した団野は、同馬に初GⅠタイトルをもたらせた素晴らしい騎乗と同時に過怠金5万円の制裁が話題となった。

 最後の直線は何度もターフビジョンを見て、勝利を確信。馬上で立ち上がり、大きく雄叫びを上げたシーンだ。

 これが「決勝線手前で5完歩ほど適切な騎乗姿勢をとらずに入線。騎手としての注意義務を怠ったもの」として前記制裁となった。

 当人からは「気持ちを全面に出し過ぎてしまって」と反省の弁が出た。SNS上でも賛否両論があったが、「ルール的にはダメだが」という前置きしつつ、「最高のガッツポーズ」、「熱い思いで乗っているのが伝わる」、「気持ちは分かる」と擁護する声は多かった。

 そこで──。

「ボクは本来、やらなくてもいいとも思っていますね」(武豊騎手)

 右拳を軽く握るだけ。

〝日本一静かなガッツポーズ〟で、その姿にファンも多い名手・武豊に聞いてみた。JRA通算4547勝で重賞362勝でGⅠは82勝。競馬ファンなら誰しも、勝利レースでの仕草を思い浮かべることができるだろう。

「先週の団野かな。あれは早過ぎたんじゃなくて、ガッツポーズがダサくて5万円取られたんでしょ(笑)」

 開口一番、こんな〝豊節〟の冗談が返ってきた。

 ただし、冷静な表情で「ボクは本来、やらなくてもいいとも思っていますね」と続いた。

「馬の上で馬が慣れていない動きをすることになる。馬も疲れて、スピードが緩むところ。バランスを崩す要因にもなりやすいですからね。必要最小限でいいのかな」が、名手の握り拳の所以であった。

「でも、ゴール後は別。感情を表現するのは個々の自由だからね」

 今週のジャパンCは、日曜24日の15時40分にGⅠファンファーレが響く。数分後、先頭で駆け抜けて喜びを表現するのはどのジョッキーか。今週はどんなガッツポーズが飛び出すのだろうか。

 最後に〝天皇賞に続き、また見たいと思っているファンも多いと思いますが〟と名手に話すと、「そうだね。ボクも期待している。そうなるように頑張るよ」と豊スマイルが返ってきた。

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