日曜に東京で行われた秋の古馬中距離王決定戦、GⅠ天皇賞・秋はダノンデサイルが後方追走から、直線は外から一気に差し切った。
これでダービーに続き東京でGⅠ2勝目。父はロベルト系でも決め手のあるエピファネイア。母の父がエーピーインディ系のコングラッツでシアトルスルーの5×4のクロスを持つ配合だから、大箱コースが合うのだろう。
今回は大外枠も良かったか。一般的に天皇賞・秋で不利と言われる8枠。実際、昨年までの過去10年で〈00120〉で、勝ち馬は03年のシンボリクリスエスまで遡らなければ出てこないのだが、ダノンデサイルの近走を見ると以前ほどテンのダッシュ力がない。内枠で思ったようにポジションが取れず進路取りに手間取った前走の宝塚記念がその最たる例だ。その点、今回は外枠からスムーズに流れに乗れたことも良かった。それでも上がり3F32秒9の末脚を繰り出したのには驚いた。
加えて、ロベルトの4×5のクロスが古馬になっても大崩れしない成長を支えているのだろう。エピファネイア産駒は早熟傾向があるとも言われているが、ロベルトのクロスを内包する場合は古馬になってからの成長力を加味した方が良さそうだ。
②着は8番人気のネブラディスク。ドゥラメンテ産駒は昨年①着のマスカレードボールに続いての連対だ。3勝クラスを勝ち上がったばかりだが、半姉にGⅠ3勝のリスグラシューがいる良血馬。使いつつ体を増やしているように、古馬になっていよいよ本格化ムードだ。
血統面での好走要因を挙げれば、父がトニービンの血を内包している点だ。東京巧者を多く出す血で、特に天皇賞・秋とは好相性。昨年まで5年連続で勝ち馬を出していたほど。今年は勝ったダノンデサイルこそトニービンの血を持っていないが、②着ネブラディスクに加え、③着レガレイラ、④着タガノデュードもトニービン内包馬だ。来年以降もこの血を持つ馬を探すことが的中への近道といえる。
1番人気のクロワデュノールは⑤着。東京はダービーで勝っているが、トニービンもサンデーサイレンスのクロスも持たない配合。加えてハイペリオンの血を多く持つから、切れ切れのタイプではない。実際、上がり33秒台をマークしたのはデビューから2戦だけ。今は直線の長いコースよりも小回りで早めに押し切る競馬の方がマッチするのではないか。
2歳重賞戦線は父ディープインパクト系、キングカメハメハ系がいまだ未勝利
土曜に京都で行われたファンタジーSはニクスルーナがV。父は新種牡馬のジャンダルムで、産駒は重賞初挑戦での勝利となった。
父は7歳時にGⅠスプリンターズSを制覇。サドラーズウェルズ系の晩成型で、産駒も早い時期から活躍する印象はあまりなかった。ただ、思えば父もデイリー杯2歳S勝ちに、ホープフルSで②着と2歳戦での実績がある。父同様にある程度早い時期から活躍して、さらに古馬になってもうひと伸びあるイメージか。
それにしても今年の2歳重賞は新種牡馬の活躍が目立つ。ここまで2歳重賞は7戦行われ、サウジアラビアRCをエフフォーリア産駒のアゴルディーノが、札幌2歳Sではフライトライン産駒ののショウナンガレオンが世界初の重賞勝ちを決めている。新種牡馬の産駒が走る背景には、これまでのようなディープインパクト、キングカメハメハといった軸となる種牡馬が不在だからだろう。
実際、ここまでの7鞍は全て勝ち馬の父が違うのだ。詳しく見るとタワーオブロンドン、シスキンがミスタープロスペクター系、モーリス、エフフォーリアがロベルト系でそれぞれ2頭ずつ。残りがサンデーサイレンス系のインディチャンプ、エーピーインディ系のフライトライン。そして今回のジャンダルムだ。
こうしてみるとこれまで中心的存在だったサンデーサイレンス系、キングマンボ系がほとんど勝っていないことが分かる。ちなみにサンデー系は今年の2歳重賞で〈14315〉。キングマンボ系は〈0009〉だ。特にディープインパクト系とキングカメハメハ系の2大巨頭の血を引く種牡馬の産駒が未勝利なのは興味深い。これも主役不在の種牡馬戦国時代に入った証しといえるのではないか。今年も残すところあと2カ月。2歳GⅠも含めどのような結果になるかに注目している。
馬券に話を移すと、③着に11番人気のバタフライが入線し3連単は38万馬券となった。実はファンタジーSが京都で行われた前3年で2ケタ人気の馬が5頭連対しているのだが、うち4頭がミスプロのクロスかストームキャット系の血を持つ米国寄りの配合なのだ。バタフライは父がミスプロ系のタワーオブロンドンで、母の父がストームキャット系。今後もこの2系統の血を色濃く持つ馬は人気薄でもチェックしておきたい。



























