目黒貴子のアツアツ交遊録

〈121〉オークス馬サンテミリオンを担当していた大西貴久調教助手(1)

公開日:2026年4月1日 14:00 更新日:2026年4月1日 14:00

 JRAの長い歴史の中で唯一の決着となったレース。GⅠで①着同着の2010年オークス。アパパネとともに優勝馬として表彰されたのは古賀慎明厩舎のサンテミリオンです。

 大西さんはそのサンテミリオンを担当していました。その頃はまだ私と大西さんの交流はなかったのですが、競馬関係者が集まる食事会でご一緒したのをきっかけに、年に1、2回、その会は開催され、毎回そこでいろんな話をすることが楽しみになりました。先日、美浦トレセンに行った時も遠くから挨拶してくれて、トレセンを訪れる毎度の緊張感もスッとほぐれました。

 大西助手となればやはりこの馬サンテミリオンです。オークス当日のことをいろいろ聞いてみました。

「サンテミリオンは大外18番枠だったんです。となると、ゲートに入れるのは厩務員ではなくゲートの係員。古賀慎明調教師からは「ゲートのギリギリまで引いていけ」と言われていたそうですが、鞍上の横山典弘騎手にその旨を伝えると、「いいよ、お前せっかくなんだからスタンドで観とけ」と言われたそう。

 オークスのスタート地点はまさにスタンド前。「だから本当にスタンドから観てたんですよ」。近くのモニターも観たりしながら見守っていると、ゴールの瞬間「勝った!」と思ったそう。喜んで検量室前まで降りていったら「あれ?」という空気。〝どっちだろう?〟と周りもよく分からないという雰囲気です。

 アパパネに騎乗した蛯名騎手(当時)は「いやー、負けちゃったかなー」と渋い顔で戻ってきたところ、国枝厩舎のスタッフは「いや、勝ってる勝ってる」と言って1位入線の馬が入る枠に呼び寄せていました。

「あれ? やっぱり負けてる?」と思って2位入線の枠で馬の帰りを待つと、横山典弘騎手がサンテミリオンとともに戻ってきます。「あれ? 勝ってんじゃないの?」という横山典弘騎手。「いや、分かんないっすよねー」と答える大西さん。横山典弘騎手はそれでも「おかしいなあ。勝ったと思ったんだけどな」と納得いかない様子。

(続きは4月8日に更新)

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